琉球新報、沖縄タイムスは今こそ「島田美化」の自己批判を! | ワーカーズの直のブログ

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琉球新報、沖縄タイムスは今こそ「島田美化」の自己批判を

アリの一言 2025年05月22日 | 沖縄・メディア・文化・思想

 

 西田昌司・自民党参院議員の沖縄戦歴史改ざん発言をめぐり、作家の目取真俊氏が沖縄タイムスに寄稿した論稿の中でこう指摘しています。

 

「今回の西田氏発言のように、正面から対立する形でなされる言論は分かりやすく、対応もしやすい。むしろ注意しなければいけないのは、島田叡知事を賛美する映画に見られるような、ある一面を過大評価して沖縄戦の中に美談を作り出す動きだ」(20日付沖縄タイムス)

 

沖縄戦時の県知事・島田叡の言動は一貫して「天皇の官吏」として陸軍(第32軍)と一体化したもので、まったく評価の余地はありませんが、目取真氏の指摘で想起されるのは、琉球新報、沖縄タイムスを始めとする沖縄メディアの責任です。

 

島田叡を賛美・美化する映画には、「生きろ」(2021年、佐古忠彦監督=TBS)と「島守の塔」(2022年、五十嵐匠監督)がありますが、「島守の塔」の製作委員会、メディアパートナーには、琉球新報、沖縄タイムスはじめ沖縄のメディアが、「本土」のメディアとともに軒並み名を連ねているからです(22年9月3日のブログ参照)。

 

このことについて、林博史・関東学院大名誉教授はこう指摘していました。

 

<沖縄の県民、住民の立場にたって沖縄戦を調べ、聞き取り、報道してきたのがこうした沖縄の新聞やテレビ、ラジオではなかったのか。沖縄戦について何十年にもわたって積み上げてきた住民の視点からの報道をかなぐり捨て、侵略戦争を推進した内務官僚たち(島田叡、荒井退造-私)を賛美する映画を後押しするようになったのか。

 

沖縄戦の平和学習は長年の取り組みがなされてきているが、内務官僚を賛美することがそうした平和学習に代わって教育に取り入れられてきていることを沖縄のメディアが推進していることをどう思っているのだろうか。県民の犠牲に焦点をあてた平和学習ではなく、沖縄に来て島守の塔などを回って、本土の人(しかも国家官僚)が命をかけて沖縄の人々の命を救ったんだ、私たちの本土の先輩はいいことをしたんだね、で終わる学習を沖縄のメディアは推奨するのだろうか。

 

沖縄のメディアが住民の立場に立とうとする意思がまだ少しでも残っているのであれば、自分たち自身で映画の内容を一つ一つ事実に照らして点検し、この映画の何が間違っているのか、事実でない捏造がなされているのはどこか、何を隠しているのか、何を見えなくしているのか、新聞であれば記者たち自身の責任で総点検した総括記事を出すべきだろう。>(川満彰・林博史共著『沖縄県知事 島田叡と沖縄戦』沖縄タイムス社2024年4月)

 

林氏のこの著書が出版されて1年余。また、「島守の塔」公開直後には琉球新報、沖縄タイムス両紙の編集幹部も出席したシンポジウムが行われ(22年8月28日)、「責任を感じる」などの個人発言もありました(22年9月3日のブログ参照)。

 

しかし、その後、琉球新報、沖縄タイムスはじめ沖縄のメディアから、この問題の正式な検証と自己批判はいまだに行われていません。

 

もちろん、真っ先に自己批判しなければならないのは、映画を製作した佐古忠彦氏であり、五十嵐匠氏です。そして「島守の塔」の製作委員会、メディアパートナーに名を連ねた毎日新聞、神戸新聞、北海道新聞などの「本土」メディアです。

 

西田発言が反面教師として沖縄戦の真実、平和教育の重要性を改めて浮き彫りにしている今、島田叡への賛美・美化を事実に基づいて一掃することはきわめて重要です。

 

「本土」メディアに範を示すためにも、琉球新報、沖縄タイムスはじめ沖縄のメディアは、今こそこの問題を「自身の責任で総点検した総括記事を出すべき」です。