野田・枝野らの本気度なし・必死さなしの蓮舫陣営の戦略・戦術はまさに自滅を狙っていたかである! | ワーカーズの直のブログ

ワーカーズの直のブログ

ブログの説明を入力します。

東京都知事選での蓮舫陣営の戦略・戦術はあまりにも貧困だった 永田町の裏を読む

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/357711 2024/07/17 日刊ゲンダイ

 

街頭演説をする蓮舫氏(C)日刊ゲンダイ

 

東京都知事選を見ていてつくづく思ったのは、蓮舫を支えた立憲・共産両党を中心とする陣営の戦略・戦術のあまりの貧困である。

 

戦略面では、小池百合子現知事の後ろにいるのが自民党であり、その自民党は政治資金の裏金づくり疑惑で汚濁にまみれて支持率を下落させ続けているので、そこを突けば自民党と小池を串刺しにできると考えたのだろう。

 

が、これは完全に間違いで、そもそも裏金問題は残念ながら都政とは直接関係がない。しかも、小池も自民党もそこはちゃんと読んでいて、自民党が表立って応援することを避けてステルス支援作戦に徹したので、蓮舫は空振り三振。当たり前だが、都知事選は都民の直接関心事で戦略的争点を形成しなければ。

 

戦術面では、神宮外苑のイチョウをはじめ100年を超える古樹を伐採して高層ビルを林立させるという時代逆行のばかげた再開発構想に対して、故・坂本龍一の遺言的な反対表明や、桑田佳祐のプロテストソング発表をはじめ、多くの芸能人、文化人、学者らの異議申し立てが広がりつつあった。

 

そこに焦点を絞らなければダメで、最終日に蓮舫が「皆さん、神宮外苑に集まりましょう。他のことはともかく、この貴重な森を切り倒すことだけは止めようではありませんか」と鋭角的に訴え、サプライズで桑田が登場して「Relay~杜の詩」を歌うといった演出があれば最高だった。

 

思い出すのは、1967年の美濃部亮吉「革新都知事」誕生のドラマである。あの時は、美濃部の宣伝パンフの表紙を描いたのは何と手塚治虫だった。ページをめくると出てくるのは藤子不二雄のオバケのQ太郎。支持者として名前を出したり演説に立ったのは吉永小百合、中村錦之助、淡谷のり子、勝新太郎、渥美清、松本清張、中野好夫、平塚らいてう、南原繁、丸山眞男、都留重人……ら、どちらかといえば政治とは縁遠くても「ここでは黙ってはいられない」と奮い立った幅広い人たちの、良心や本能や思い入れなどいろいろなものが乱舞して、その時代の流れをつくったのだった。ここが勝負だという選挙は、そうやって戦うのである。

 

それとの対比で今回の蓮舫選挙を見れば、想像力、共感形成力、人脈動員力が100対1ほども劣っていて、これでは与党がいくら自滅しても野党が勝つことはない。

 

高野孟 ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

 

関連記事

改めて全てが倒錯だった都知事選 立憲民主よ、排除すべきは腐りきった連合だ(日刊ゲンダイ)