党首討論を定例化せず時間設定もお粗末な日本の国会では茶番劇が演出されている! | ワーカーズの直のブログ

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植草一秀の『知られざる真実』

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2024年6月20日 (木) 馬耳東風の岸田首相

3年ぶりの党首討論が行われた。時間が十分でなく、ルールも適正とは言えないが、党首討論を高い頻度で実施するべきだ。党首が基本駅に原稿を読まずに、自分の言葉で討論することが重要。国会審議での政府答弁は官僚が用意した作文の朗読に過ぎない。

これでは実のある審議ができない。党首討論で原稿を読んでいれば、自分の言葉で意見を示すことができないことを白日の下に晒すことになる。必然的に原稿なしで発言することになる。

 

米国の大統領選テレビ討論が間もなく始まるが、議論で重要なことは相手の発言に耳を傾けること。相手の発言をじっくり聞いたうえで自分の意見を述べる。相手の発言中に割って入るのはマナー違反。討論を公正に行うには時間管理を厳正にする必要がある。米国の大統領選でお互いが相手の発言に割って入り、討論が成立しないことがあった。これで民主主義を語るのは本末転倒。

 

NHKの日曜討論には1回の発言時間を1分以内にするというルールがあり、時間を超過すればランプが点滅、点灯する仕掛けが用いられていた。ところが、政府や与党の発言者がこのルールを無視して延々と発言することを偏向司会者が容認する。逆に野党の発言に対しては、これを強引に制止するなどの歪んだ番組進行が放置されてきた。

 

1人当たりの発言回数にも大きな差別が存在していた。議論を有効にするには公平、公正なルール設定と、そのルールの遵守が必要不可欠。国会の党首討論も発言時間に関するルールを明確にし、その遵守を図るべきだ。

 

同時に3年ぶりに党首討論が行われることも異常。定例化し、討論時間を延長するべきだ。主権者の多数が党首討論をじっくりと視聴する習慣を形成することが求められる。6月19日の党首討論での最大焦点は岸田首相が衆院解散を宣言するかどうかだった。立憲民主党の泉健太氏が再三、衆院解散を要求した。しかし、岸田首相はこれに応じなかった。

 

2012年11月14日の党首討論で野田佳彦氏が衆院解散を宣言した。この結果、同年12月に総選挙が実施され、野田民主党が歴史的惨敗を演じた。野田氏が年内選挙を強行したのは小沢新党つぶしが目的であったと見られる。消費税増税法強行制定に反対した「真正民主党勢力」が民主党を離党して新党を立ち上げた。

 

「国民の生活が第一」=「小沢新党」である。官僚天下りを根絶せずに消費税を上げてはならないことを絶叫していたのは野田佳彦氏。この野田氏が財務省に絡めとられて転向した。財務相、首相になるために魂を売ったというのが実態だろう。民主党を崩壊させた主犯が野田佳彦氏である。

 

この暴挙に立ち向かったのが民主党の「真正民主党勢力」。50人規模の新党が創設された。文字通りの第三極政治勢力だった。

年を越すとこの小沢新党に巨額の政党交付金が支給されることが確定する。政党交付金支給金額は年初の議席数で決定される。

これを阻止するために年内選挙が強行された。メディアは小沢新党に関する報道を完全に封殺した。

 

代わりに国会議員が数名の「維新」を連日連夜、「第三極」ともてはやして大報道を展開した。野田佳彦氏は消費税大増税法を強行制定し、民主党を壊滅させる総選挙に突き進んだ。「自爆解散」だ。この自爆解散で野田佳彦氏は安倍自民党に大政を奉還した。この黒歴史を忘れてはならない。