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植草一秀の『知られざる真実』

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2024年5月19日 (日) 川勝知事辞職なら上川外相辞職

上川陽子外相は静岡県知事選に立候補している自民党推薦の大村慎一候補の応援で演説し、「この方を私たち女性が産まずして何が女性でしょうか」「産みの苦しみは本当にすごい。」と発言した。

 

新たな知事を誕生させるとの趣旨の発言だが、「産まずして何が女性か」「産みの苦しみは本当にすごい」の表現が「女性が子を産むこと」に関する表現であることは間違いない。少なくともそのように受け取られる発言である。「子を産まない女性を何で女性と言えるのか」との意味に受け取られる。

 

上川陽子外相は静岡県選出の衆議院議員。静岡県の自民党国会議員に宮澤博行元衆議院議員、吉川赳衆議院議員、山崎真之輔元参議院議員などがいる。宮澤氏は妻子を持ちながら別の女性と金銭援助を伴う同居をしていたことなどが週刊誌で報じられて議員辞職。吉川議員は2022年6月に、18歳の女子大学生と飲酒したなどが週刊誌で報じられ、自民党を離党したが辞職していない。山崎氏は2021年に、一般女性との不適切な関係があったことなどが週刊誌で報じられ、自民党を離党したが辞職しなかったが、その後、2022年の参院選で落選した。

 

静岡県の川勝平太知事は4月1日の新規採用職員への訓示の場で、「県庁というのは、別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりということと違って、基本的に皆様方は、頭脳、知性の高い方たちです」と述べた。この発言が徹底的に攻撃され、川勝氏は知事を辞職した。

 

川勝氏の言葉が配慮に欠けていたことは事実。職種の違いを表現したかったのだと思われるが、「とは違って」、「頭脳、知性の高い方たちです」と述べれば、先に例示した仕事についている人が「頭脳、知性の低い人たちです」と発言したと受け止められてしまう。知事として配慮に欠いた発言であったと言える。

 

しかし、同じように考えて、上川陽子氏の発言も同列の問題発言である。「産まずして何が女性か」、「産みの苦しみは本当にすごい」の発言は「女性が子を産むこと」に関連した発言で、「何が女性か」の発言は「子を産まずして女性と言えるのか」の意味に受け取られる。「発言を切り取った」などの批判があるが、この部分の発言がこのように受け取られることは当然のことで、そのことに対する批判が生じている。

 

最大の問題はメディアの取り扱い。上川氏の演説は静岡県知事選に立候補している自民党推薦候補の大村慎一氏の応援を目的とするもの。その知事選が行われる契機になったのが川勝知事発言であり、問題発言をメディアが激しく攻撃したことによって川勝氏が知事を辞職したことで県知事選が行われている。その知事選で今度は応援弁士の県選出岸田内閣閣僚による問題発言で自民推薦候補がブーメランに見舞われている。

 

文字通り天に唾する発言だった。問題発言の程度として川勝知事発言と上川外相発言に差はない。ところが、メディアは川勝知事を攻撃したように上川外相を攻撃しない。背景に政治権力とメディアの癒着がある。

 

石川県警が5月17日、酒酔い運転で事故を起こし、事故後に逃走した県内の警察署に勤務していた警部補の男性を懲戒免職にして書類送検した。送検容疑は3月1日午前2時ころに酒を飲んで正常な運転ができない状態で車を運転し、標識に衝突して田んぼに転落した事故を起こしながら、警察に通報せずに現場から逃走したというもの。

 

通行人が1日午前4時ころ、事故現場を目撃して110番通報し、田んぼに転落した車のナンバーなどから本人に連絡して数時間後に現れた。この重大犯罪に対して石川県警は犯人を逮捕していない。民間人の犯行なら確実に逮捕・勾留しているはずだ。

 

中日新聞はこの記事の横に「つばさの党」幹部3名逮捕のニュースを報じている。

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逮捕容疑はすでにSNSなどで公開されている動画映像などから特定されており、罪証隠滅の恐れはない。逃亡の恐れも低く、逮捕する必要があるのか疑問が持たれている。

 

象徴的なダブルスタンダード。キーワードは「権力との癒着」。

小池百合子氏の学歴詐称疑惑が払拭されていない。選挙活動として小池百合子氏の学歴詐称疑惑を追及することと学歴詐称疑惑そのものを比較したときに、学歴詐称疑惑の追及を悪いことと言えるか。

 

日本社会が暗黒社会に転じている証左には枚挙にいとまがない。