「小池都知事はエジプトのエージェント同然」である! | ワーカーズの直のブログ

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「小池都知事はエジプトのエージェント同然」カイロ大の体質を知り尽くすジャーナリストが看破 注目の人 直撃インタビュー

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/339961 2024/05/13 日刊ゲンダイ

 

浅川芳裕(ジャーナリスト)

ジャーナリストの浅川芳裕氏(C)日刊ゲンダイ

 

エジプトの名門「カイロ大学」を卒業したのは本当なのか──。元側近の告発によって、東京都の小池百合子知事の学歴詐称疑惑が再燃している。知事は相変わらず「カイロ大が卒業を認めている」の一点張りだが、認定は妥当なのか。1990年代にカイロ大に通い、独自調査で大学の体質を知り尽くしているのがこの人。改めて小池の学歴詐称疑惑について語ってもらった。

       ◇        ◇          ◇

──小池知事の学歴詐称を告発した『女帝』出版直後の2020年6月、知事の卒業を証明するカイロ大声明が駐日エジプト大使館のSNSに投稿された。小池知事が再選した都知事選の告示直前でした。声明には報道への警告まで記されていましたが元側近の小島敏郎弁護士(都民ファーストの会元事務総長)は声明の文言案を小池知事と側近らが相談して決めていたと暴露。どう見ていますか?

 

民主主義の根幹である選挙に外国勢力が介入したという点は以前と変わりませんが、そこに小池氏の意図が働いていたとしたら大問題です。選挙への介入を導いたとなれば、国家への反逆といえる行為です。声明発表によって都議会の追及はストップし、日本の多くのメディアも沈黙。小池氏のみならず、声明を出したカイロ大としても狙い通りの展開だったはずです。

 

──カイロ大が大使館を通じて声明を公表し、メディアに圧力をかけるなど普通では考えづらい。そんなリスクをカイロ大が冒すものでしょうか。

 

カイロ大というのは、一般的な国公立大でもなければ、私立大でもない。エジプト軍事政権が直接、管理運営する国家機関です。学長のみならず、学部長でさえ大統領に任免権がある。カイロ大をおとしめる報道はエジプト国家そのものへの攻撃と同じです。政府による外国メディアへの圧力などエジプトでは日常茶飯事で、不思議なことではありません。カイロ大声明発表直後、政権寄りのエジプトメディアは「カイロ大、危機に瀕する都知事を救うために介入」「カイロ大、都知事の卒業証書を認めない日本メディアに対し法的措置で脅迫」などと報じたほどです。

 

──小池知事を相当大事にしているのですね。

 

その理由を一言でいえば、小池氏がエジプト政府のエージェント同然の存在だからです。カイロ大は、そうしたエージェントを養成する機関でもある。もちろん、小池氏だけに限ったことではありませんが。

 

フセイン元大統領は「亡命枠」

 

──カイロ大では当たり前なのでしょうか?

 

後にエジプト大統領となるガマル・アブデル・ナセルが52年に軍事クーデターで政権を奪取して以降、小池氏が留学していた70年代まで、カイロ大には特殊な外国人留学枠が存在していました。ひとつは、アラブ諸国でエジプト国益に沿った反政府活動をする若者を亡命させ、母国に戻った時に工作員にする枠。いわゆる「亡命枠」でイラク元大統領のサダム・フセインがそのひとりです。

 

──小池知事は亡命したわけではありませんね。

 

小池氏は「亡命枠」ではなく、ナセル側近で情報相を務めたムハンマド・アブデル・カーデル・ハーテムの「特別枠」でした。エジプトの国策に都合のいいエージェントを育成するため、非アラブ国出身者を優遇する枠です。

 

後ろ盾は「プロパガンダの父」

 

エジプトのシシ大統領と面会する小池百合子氏=2016年(代表撮影・共同)

 

──ハーテムといえば、留学生時代の小池知事の後ろ盾だったとされる人物です。『女帝』によると、小池知事は同居人に「お父さんが、ドクター・ハーテムにカイロ大学に入れるように頼んでくれている」などと話していました。

 

ハーテム枠はさらにインテリジェンス枠とインフォメーション枠に分かれています。インテリジェンスというのは、他国で諜報活動を行って世論を操作し、親エジプト国家を形成したり、敵国を不利な状況に陥らせること。インフォメーションは、いわゆる戦略広報です。例えば73年の第4次中東戦争で、エジプトはイスラエル軍の不意を突いた奇襲攻撃を仕掛けましたが、その大義を世界に知らしめなければ意味がない。情報(インフォメーション)相ハーテムは欧米のマスコミをメディアツアーの名目で戦地候補地に事前招待し、現場で情報操作しながら報じさせたのです。アラブ世界の「プロパガンダの父」と呼ばれています。

 

 

──小池知事はインフォメーション枠だったわけですね。具体的にどんな役割なのでしょう。

 

ひとつは、カイロ大の偉大さを証明することです。カイロ大の卒業生でノーベル賞をとった人物が3人いますが、全員エジプト人です。海外で首脳に就任した人もいますが、やはりアラブ人。カイロ大を卒業した先進国の要人は小池知事1人しかいません。公式ホームページでも「カイロ大は日本の元防衛大臣である小池都知事の輩出に成功」と記すように、カイロ大を宣伝するための極めて重要な存在なのです。

 

──確かに大きな役割です。

 

もうひとつ、重大な役目があります。日本政府から援助を引き出すための窓口となることです。興味深い報道があります。16年3月にエジプト政府系のアハラーム紙が報じた記事によると、来日した当時のシシ大統領は、日本エジプト友好議連会長だった小池氏と面会。大統領は「謝意を表した」とされている。一体、何に対して謝意を表したのか。記事では「大統領の訪日では、教育プログラムに関連して多くの目標を達成した」と紹介されている。実は、この報道の約1カ月前、三百数十億円に上る日本のODA(政府開発援助)による教育支援策「エジプト・日本教育パートナーシップ」が発表されています。つまり、シシ大統領はODAという形で援助が実現したことについて、小池氏に謝意を表したわけです。

 

──このODAに小池知事が関与したということでしょうか。

 

アハラーム報道から約1年さかのぼった15年5月、現地メディアのアルマスダル紙電子版によると、エジプト大統領府で小池氏と面会したシシ大統領は「教育分野において日本の経験から利益を得ることについて、関心を示した」とされる。大統領の関心に対し、小池氏は「エジプトと日本の関係を強化する努力を惜しまない」と後押しを表明。さらに小池氏は「私がエジプトを大切に思っているのは、公式のレベルだけでなく、個人のレベルのことである」とまで語っている。小池氏が教育支援ODAの端緒を開いた可能性が高いとみています。

 

三百数十億円のODAに「謝意」

 

──まさに、エージェントのような立ち回りですね。

 

アハラーム紙の記事を担当した記者のコラムがまた興味深い。以前、記者が取材した際に小池氏が語っていた内容を紹介。小池氏は、ナセル大統領が外国人学生に対して奨学金を提供するという重要な政策を採用していたと評価。彼女自身もエジプト政府から月額数千円程度の支援を受け取っていたことを明かした上で、「ナセルの(私への)投資は有益で成功だったでしょ。だって、そうじゃない!」と発言したというのです。教育支援ODAの実現を誇るような話しぶりで、まさにエージェントと言うしかありません。18年にはエジプト軍部諜報系テレビ局の取材に「私は100%エジプト人」と話したほどです。

 

──エジプト政府・軍部と一体のカイロ大が小池知事を守る理由がよく分かりました。

 

私が90年代にカイロ大に通っていた経験から言って、小池氏のアラビア語は卒業できるレベルではありません。カイロ大は小池氏について、“超法規的卒業”という扱いにしたのだとみています。

 

──超法規的とはどういう意味ですか。

 

カイロ大は、編入学については法律で大統領権限に基づく特別枠が存在しますので、コネでも“法規的”に入れます。しかし、卒業に関しては法律で明記されていない。当たり前ですが、権力者の口利きによる卒業=学位授与を公認すれば、大学の信用は無になるからです。しかし、その法を超えた卒業枠があるのはエジプトでは公然の事実です。小池氏も同じケースの可能性があります。

 

──小池知事は弱みを握られている状態ですね。

 

今後、どんな条件を引き出されることになるのか。外国政府に都知事の生殺与奪の権を握られた状況というのは、極めて危険なことだと思います。 (聞き手=小幡元太/日刊ゲンダイ)

 

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