自民党と清和会はヤクザそのものである! | ワーカーズの直のブログ

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まるでヤクザのような自民党と清和会 月刊誌 森インタビューをどう読むか

日刊ゲンダイ 2024年月11日

 

 

清和会元会長の細田博之前衆院議長の通夜に参列する森元首相(C)共同通信社

 

自民党の裏金事件が表沙汰になってから5カ月あまり。一連の事件では初の正式裁判が10日、東京地裁で開かれた。初公判に臨んだのは、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪に問われた安倍派(清和会)の事務局長で、会計責任者の松本淳一郎被告(76)。起訴内容を大筋で認めたものの、この日は裏金問題の焦点には触れられなかった。派閥の政治資金パーティーをめぐり、販売ノルマ超過分の還流が復活した経緯だ。

 

2022年4月に会長だった安倍晋三元首相は、幹部4人を集めた会合で現金還流の中止を指示。それが、安倍の横死から1カ月後に撤回された。幹部4人による8月の会合でキックバック再開が決まったとされる。松本はいずれも参加していたが、誰が主導したのか不明のまま。次回公判は来月18日。重い口が開かれるのかどうか。

 

何を語るかが注目されていたのは、かねて清和会を仕切っている森喜朗元首相も同様だ。1998年から2006年にかけて、首相在任期間(00年4月~01年4月)を除いて会長を務め、安倍死去後はキングメーカーとして振る舞ってきた。10日発売の月刊誌「文芸春秋」が〈森喜朗元首相「裏金問題」真相を語る240分〉と題した12ページにわたるインタビュー記事を掲載。聞き手はノンフィクション作家の森功氏だ。先月末に電子版で先行公開されたものだが、改めて読み直しても舌を巻く。永田町は策謀や裏切り、脅しにたけた動物たちが密集するジャングルに例えられるとはいえ、これほどのタヌキはなかなかいない。

 

怒りの矛先は下村元文科相へ

 

パー券収入の裏金化を始めた疑惑については案の定、全面否定だ。

 

〈これだけは申し上げておきます。裏金作りは清和政策研究会が始めたものではありません。長い間に、個々に議員や秘書の間に伝わってきたものです〉

 

〈仮に国会の証人喚問に呼ばれても、知らないものを知っているとは言えない。磔にされ、拷問に遭っても、ないものをあるとは言えません。むしろ、もし国会に呼ばれたら、「森が裏金作りを始めたと言っているのはいったい誰なんだ」と言いたいです〉

 

なんだかんだで、怒りの矛先は蛇蝎のごとく嫌う下村博文元文科相へ。森肝いりの新国立競技場ザハ案をボツにしたことなどで目の敵にし、徹底的にパージしてきた。

 

〈下村君一人だけが、私がそこに関係しているかのように言っているわけです〉

 

〈下村君がマスコミに派閥の資料を持ち込んで売り込んだ、といった類の話もあります〉

 

そうして、いわゆる「土下座事件」の詳細を暴露。総理総裁を目指す下村が23年7月に森を訪ね、会長就任の後押しを求めて膝を折り、袖の下を渡してきたというのである。

 

〈一喝したら、下村君はますます滑稽なことを言いました。

 

「いや、二つ入ってます」

 

紙袋の大きさからすると、中身は二百万円ではなく、二千万円。だから、「俺は許さん。持って帰れ」と突き返したんです〉

 

下村はそうしたやりとりを否定しているが、事実だとしたら表に出せるカネのわけがない。

 

自民党内で日常的に裏金が行き来していたことを示すエピソードでもある。

 

主権者無視の「ボス支配」を続ける自民党政治

 

岸田首相は訪米前の党内処分を急いだという(C)共同通信社

 

最終的に離党勧告処分を食らい、追放された座長の塩谷立元文科相に詰め寄った逸話も生々しい。

 

萩生田光一前政調会長、西村康稔前経産相、松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長、世耕弘成前参院幹事長。森が目をかける「5人衆」の総意を受けて塩谷を呼び出したという。今年1月のことだ。

 

〈「ここはいったん議員辞職して次をねらったらどうかね。全責任を取るので仲間を救ってください、と申し出れば、君は立派だと光り輝くよ」

そうも言いました。ところが彼は納得しない。

 

「なんで私一人が貧乏くじを引かねばならないのですか。議員辞職だけは絶対に承服できません」〉

 

選挙に弱いと散々こき下ろしながら、次のチャンスを待てと諭す矛盾。さすが古ダヌキだ。自分の非は一切認めず、知らぬ存ぜぬ。その一方で、真偽はともかくカネで土下座、人身御供で幕引きなど、自民党の金権体質、腐敗体質が赤裸々である。

 

森インタビューをどう読むか。

 

法大大学院教授の白鳥浩氏(現代政治分析)はこう指摘する。

 

「昭和の悪しき政治、それも最も悪いパターンが健在であることが浮き彫りです。自民党はいまだに人間関係で動いていて、ガバナンスもへったくれもない。〈引退後は議員ではありませんし、まして清和会も離れていました〉という森氏の発言をなぞれば、国政に対して何ら責任を負う立場にない。にもかかわらず、岸田首相に人事の処遇を押し込み、党総裁選に出たがる西村前経産相に待ったをかけたと言っている。岸田首相による電話での事情聴取の内幕もバラした。主権者から選挙で選ばれてもいない人物が『ボス支配』を続けているも同然で、自民党政権では権力の二重構造がまかり通っているということ。裏金事件に怒り心頭の国民は自民党に対する不信感をますます強めるでしょう」

 

5人衆はひいきの引き倒し

 

まるでヤクザのような自民党と清和会。マトモな人間であれば墓まで持っていく類いの話を平然と口にする元首相の感覚、自民党の旧態依然、時代錯誤には改めて唖然である。

 

政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。

 

「森氏が語っている内容は、核心のようで核心ではない。要するに自分にとって都合のいい話しかしていない。ひいきにする5人衆にしてみても、まさにひいきの引き倒し。党内でも派閥内でも大きな顔をしていながら、裏ではOBに媚びへつらい、何かと手を回してもらっていたなんて公然と語られたくはないでしょう。政治家をやっている限り、この件はついて回ることになる。『ボス政治』は日本維新の会も同様です。高利貸し疑惑が浮上している中条きよし参院議員に対し、政界を引退した松井一郎前代表が辞職を迫り、橋下徹元代表も何だかんだと党運営や府政・市政に口を挟む。馬場伸幸代表や藤田文武幹事長ら、党執行部の方針も決定事項も平気でひっくり返す。維新は『第2自民党』を自負していますが、『第2清和会』でもある」

 

幸い維新は失速してきているが、補完勢力の本領を発揮し、自民党政治を延命させる可能性は十分にある。昭和、平成、令和に至るまで連綿と続くチンピラ政治の根を断つには、政界ガラガラポンは待ったなしだ。

 

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