政治家は外遊、外国人は豪遊の悲惨な日本の現実! | ワーカーズの直のブログ

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政治家は外遊、外国人は豪遊 連休で見せつけられた日本の惨憺

日刊ゲンダイ 2024年5月2日

 

外遊に税金浪費(岸田首相)、観光地で目立つのは外国人の姿、姿、姿(東京・浅草、=右)/(C)共同通信社

 

つくづく、イイ気なもんだ。岸田首相が1日、フランス、ブラジル、パラグアイ歴訪に出発。ゴールデンウイーク(GW)後半に3泊6日で欧州・南米を駆け巡る強行日程である。

 

衆院3補選の自民全敗から2日。保守王国・島根でも裏金自民党への有権者の怒りが渦巻き、1996年の小選挙区導入以来、30年近くも独占してきた議席の一角を失った。投開票前日に2度目の応援入りした岸田は意気消沈し、政権を投げ出しても不思議ではないが、現実から逃げ出すように「地球の裏側弾丸ツアー」に飛び立ったわけだ。一体、どこにそんな体力が余っているのか。タフというより単にマトモな神経ではないのだろう。

 

政府・日銀の「覆面介入」もむなしく、じりじりと再び円安は進み、1日の円相場は1ドル=158円に迫る水準まで逆戻り。34年ぶりの歴史的な円安のせいで、もはや庶民に海外旅行は高根の花だ。せっかくのGWに出かけるにしても、近場で節約のセコセコ大型連休を強いられている。

 

首相外遊には1回約2億円の血税がかかるとされる。GWに税金を浪費して海外逃避とは、どこまで有権者の神経を逆なですれば気が済むのか。岸田はちっとも補選全敗に懲りちゃいないようだが、庶民の鬱屈したGW気分を反映してか、「渡航費用12.6億」「外遊三昧のア然」が30日、Xでトレンド入り。手前ミソだが、出元はいずれも本紙の記事である。

 

1日付で「岸田首相含め政務三役31人、渡航費用12.6億円!円安放置し“血税ごっつぁん”外遊三昧のア然」と報じると、電子版の記事が瞬く間に拡散。ネット上には〈円安で国民が海外旅行できない時に〉〈何のための海外視察〉〈能登支援に回せ〉など岸田批判の声が湧き起こった。

 

エッフェル姉さんもシレッと海外視察復活

 

何しろ、岸田をはじめ大臣20人中14人、副大臣・政務官を入れると計31人が37カ国を訪問。渡航費用12.6億円は、過去の政府答弁や円安の影響も加味して本紙がハジキ出した数字である。

 

GWに海外へ旅立つのは内閣のメンバーにとどまらない。案の定、政務三役以外の国会議員も外遊ラッシュだ。衆参両院の公報によると、外遊を予定している議員は衆院32人、参院14人の計46人。政務三役と合わせ、77人の大所帯が日本を離れる。うち野党議員は5指に余るほどで、大半は自民党議員である。

 

台湾との交流を長年続けてきた自民党青年局は、例年GW中に訪台する。今年は鈴木貴子局長らで構成する議員団が3日まで6日間の日程で現地に赴き、20日に2期8年の任期を終える蔡英文総統らと会談。これだけ目的がハッキリしていれば、まだマシで、昨夏に大炎上した自民党女性局のパリ視察のように観光旅行まがいがほとんどだ。

 

当時の女性局長「エッフェル姉さん」こと、松川るい参院議員はあれだけ猛批判を浴びても、屁のカッパだ。この連休中は先月26日~今月1日に豪州、今月2~4日に韓国をシレッと歴訪。参院議長宛ての渡航目的には〈政治・経済事情視察のため〉とあるのみ。あいまい過ぎて、観光だって「政治・経済事情の視察」と言い張れる屁理屈が成り立ってしまう。

 

松川の夫で外務官僚の新居雄介氏は先月17日付で、駐イスラエル大使に任命されたばかり。かの地は現在、ガザ戦闘でイランとミサイル攻撃の応酬を繰り広げる戦火の最中だ。まさか、危険な地に赴任する夫と「GWくらいは」などと子どもを伴い、海外旅行に出かけたわけではあるまい。

 

昭和とは真逆の「3割値上げが当たり前!」

 

「エッフェル塔騒動」も顧みずに今また海外へ(本人のツイッターから、=当時)

 

松川も裏金議員のひとり。GWには地元に戻り、おわび行脚かと思いきや、松川を含めて外遊に繰り出す裏金議員は8人いる。裏金2728万円で「役職停止1年」の処分を受けた萩生田光一前政調会長や、裏金2403万円で同処分の山谷えり子元国家公安委員長などで、安倍派座長として離党した塩谷立元文科相も、GW中に衆院議長から海外渡航や入院などに必要な「請暇」の許可を得ている。塩谷事務所に確認すると「事情を把握していない」と答えた。

 

くすぶる「課税逃れの脱税」批判もどこ吹く風。裏金議員が能天気な税金外遊に明け暮れていれば、ますます有権者の怒りの炎を燃え上がらせるだけだ。

経済ジャーナリストの荻原博子氏が言う。

 

「政治家の海外視察なんて不要不急の実質バカンス。なぜ今、どんな目的で出かける必要があるのか、大半の議員は答えられないはずです。外遊のたび、現地の在外公館の職員は議員の接遇に駆り出され、当該地域の情報分析など本来業務の邪魔になると聞きます。国際情勢が緊迫する今、議員外遊は百害あって一利なし。現地の職員の身にもなって欲しい」

 

国内だって問題山積だ。庶民の暮らしが第一なら、GWに外遊する暇などあるわけがない。

 

「現場を見るなら、円安地獄で疲弊している中小・零細の工場や、マイナ保険証の対応に難儀する医療機関、能登の被災地に出向くべきです。岸田首相なんて1月と2月の2回、1カ所30分程度の駆け足で能登を視察しただけ。復興がなかなか進まない中、外遊三昧で被災地は置き去りです。自民党議員の物見遊山に巨額の税金を費やすのはムダの極み。視察と称して海の向こうで羽を伸ばす前に、どうして円安・物価高に苦しむ庶民の暮らしに、もっと目を向けないのでしょうか」(荻原博子氏=前出)

 

生活防衛の政権交代で「いい酒」が飲める世に

 

GWの谷間の5月1日から生活に不可欠の食品や電気・ガスが相次いで値上げ。目をむくのは飲食料品の値上げ「幅」だ。帝国データバンクの調査だと、5月の平均値上げ率はナント、31%。単月としては、値上げラッシュが本格化した2022年以降、初めて30%台に到達した。

 

昭和のCMで「3割、4割は当たり前!」と絶叫していたのは「値下げ」が前提だったが、今や「3割値上げが当たり前」の時代とは……。実質賃金が過去最長に並ぶ23カ月もマイナス続きの庶民の家計にとっては痛烈なダメージだ。

 

目玉が飛び出しそうになるのは家庭用のオリーブオイルの値上げ幅で、最大66%。業務用にいたっては最大80%の値上げである。

 

世界的な天候不順で原料の不作が大きな要因とはいえ、歴史的な円安も一役買っている。海外旅行がムリなら、せめて海外の「味」だけでも楽しみたいという庶民の切なる願いも、はかなく消えゆくのみだ。

 

庶民生活には地獄の円安もインバウンドには天国で、有名観光地は外国人に占有されている。まさに国力の衰退を実感し、日本の惨憺を見せつけられるGWである。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)もこう嘆く。

 

「岸田首相は昨年『明日は今日より必ず良くなる日本をつくる』というフレーズを使い回していましたが、大ボラを聞かされただけです。食品値上げが家計を圧迫し、昨年の『エンゲル係数』は27.8%と、現在の基準でさかのぼれる00年以降で最高でした。今の円安水準が続けば、さらなる値上げラッシュが秋にも襲い、過去最高の更新は確実。岸田首相はこのGW期間に四苦八苦する庶民の暮らしぶりを視察し、植田日銀と共に円安対策を本気で協議すべきでした。外遊でスキを与えるから、海外勢に円売りを仕掛けられるのです。国民の生活苦よりも内閣の支持率の改善を最優先。大手メディアが創作した『外交の岸田』の異名を真に受け、得点稼ぎになると外遊に入れ揚げているのでしょう。アホらしくて酒でも飲まなきゃやってられない? かくなる上は生活防衛のための政権交代を実現させ、いい酒を飲める世の中にしないといけません」

 

政治家は外遊、外国人は豪遊の現実に悲嘆するなら、政権にノーを突きつける覚悟を持つべきだ。酒に逃げるだけのGWにしてはいけない。

 

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