現時点で小池都知事のカイロ大学卒業に関する疑念は払拭されていない! | ワーカーズの直のブログ

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植草一秀の『知られざる真実』

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2024年4月14日 (日) カイロ大学声明が虚偽である疑い

小池百合子氏の元側近が重大な告発を行った。小池百合子氏はカイロ大学を卒業したと主張している。かねてより、カイロ大学を首席で卒業したと主張してきた。しかし、このことについて虚偽であるとの告発がなされている。告発者の一人はかつて小池百合子氏がカイロに滞在した際、現地で同居していた女性。2020年5月に刊行された石井妙子氏の著書『女帝 小池百合子』においては、女性の身の安全を考慮して「早川玲子」という仮名で登場していた。

 

しかし、2023年秋の文庫本刊行に際して本人から仮名を実名に改めたいとの申し出があり、実名に切り替えられた。早川玲子氏の実名は北原百代氏。北原さんは昭和16年生まれ。80代を迎えている。人生の晩年を迎え、自分には事実を伝える義務があるのではないか、黙っていることも罪なのではないかとの思いを強くしていった。大手メディアに「小池百合子氏はカイロ大学を卒業していない」ことを手紙に書いて送った。しかし、大手メディアからの反応はなかった。その後、作家の石井妙子氏の文章に目が止まり、北原さんは石井氏に手紙を送った。

 

これが契機となり、石井氏が北原氏と面会。精密な面会を重ねた末に『女帝 小池百合子』が刊行された。北原氏は小池百合子氏とカイロで2年間同居した間柄。カイロにおける小池氏の実態を知っている人物である。石井妙子氏の記述によれば、小池氏がカイロ大学を卒業したと公表している1976年の試験の結果は、「本人が『ダメ(落第した)だった』と言っていて、教授と交渉しても『あなたは最終学年ではないから追試を受ける資格がないと言われた』と落胆していた」という決定的な証言を北原さんがしている。

 

この北原氏が実名を出して、「小池百合子氏はカイロ大学を卒業していない」と告発している。今回、新たに実名告発をしたのは小池氏の元側近であった小島敏郎氏。小島氏は元環境庁高官で退官後は青山大学教授を務めた人物。弁護士資格を有し、現在は弁護士としても活動している。

 

2020年6月9日に、小池氏の「虚偽事項公表罪」ならびに「偽造私文書行使罪」の疑いについて弁護士の郷原信郎氏と作家の黒木亮氏が外国特派員協会で記者会見を開催する予定が示されるなかで、小池氏が緊急の対応を取った際に小島氏は小池氏から相談を受けた。

 

6月6日夕刻に小池氏から呼び出され、学歴詐称問題について、どのように対応すればよいかについて相談を受けた。その際、小島氏は「カイロ大学から、声明文を出してもらえばいいのではないですか」と提案した。翌6月7日午前に小池氏から小島氏に、具体的にどのような対応を取ればよいのかを訪ねるメールが送られたが、小島氏は返答を保留した。

 

その後、6月9日の郷原氏らによる記者会見開始時刻の2時間前に、エジプト大使館フェイスブックにカイロ大学声明が掲載された。声明には小池百合子氏がカイロ大学を卒業しているとの内容が記載された。小島氏はあまりに早い対応に疑問を感じたという。

その後、ジャーナリストA氏から、カイロ大学声明の文章を作成したこと、また、エジプト大使館フェイスブックに掲載されるまでの経緯の詳細を聞いた。これらの内容を小島氏が今回、文藝春秋で明らかにした。

 

小島氏も小池氏がカイロ大学を卒業していないとの認識を有していることを表明している。これに対して、小池氏は小池氏がカイロ大学を卒業していることをカイロ大学が公表しているとして、問題がないと主張している。メディアは小池氏の主張を大きく取り上げているが、小池氏の主張だけでは小池氏がカイロ大学を卒業したことは立証されていない。なぜなら、2020年6月9日にエジプト大使館フェイスブックに掲載されたカイロ大学声明の文章は小池氏の側で作成、準備したものであると考えられ、内容が真実とは言い切れないからだ。

 

文章にはカイロ大学学長のサインなどが記されているが、カイロ大学が真実でない文書に署名等を行った可能性を全面的に排除することができない。日本政府はエジプトに対して巨額のODAなどの利益供与等を行っており、そうした政治的要因によってカイロ大学が事実ではない文書に署名等を行う可能性は十分に考えられるからだ。

 

現時点で小池氏が「カイロ大学を卒業した」ことに対する疑念はまったく払拭されていない。