今、日本は米国の真の軍事パートナーになるか否かの瀬戸際にある! | ワーカーズの直のブログ

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日米首脳会談で「今夜でも戦う」日本へ

アリの一言 2024年03月30日 | 日米安保・軍事同盟と政治・社会

 

  

 

28日夜の記者会見で岸田文雄首相は、来月10日の「国賓」待遇の訪米・日米首脳会談について、「日米同盟の重要性はますます高まっている。緊密、強固な連携を世界に示す」と述べました(写真左)。

それはたんなるお題目ではありません。今回の日米首脳会談は文字通り、日米軍事同盟(安保条約)体制を新たな危険段階に引き上げる歴史的な場になろうとしています(写真右は昨年9月の米軍と自衛隊の合同訓練)。

 

バイデン政権で国家安全保障会議(NSC)東アジア部長も務めた米戦略国際問題研究所のクリストファー・ジョンストン日本部長は、朝日新聞のインタビューに答え、こう述べています。

 

「日本はいま、米国の真の軍事的パートナーになりつつあります。2015年に安全保障法制を整え、最近では長距離の敵基地攻撃能力といった新たな手段を獲得しています」「有事には日米がより緊密に連携して攻撃などの共同作戦を進め、さらに監視や海上警備など多くのことを共同で実行できる司令部が求められます。…日米は、二国間の指揮統制がどのようなものになるかを示すことになるでしょう。…日米首脳会談でこうした方向性を示すことは、日米同盟が変化し、日本が「新たな日本」として米国の真の防衛上のパートナーになったことを示す、強いメッセージになります」(28日付朝日新聞デジタル)

 

ハンギョレ新聞(26日付)によれば、「英国のフィナンシャル・タイムズ紙は24日、米日の軍事問題に精通した消息筋の話を引用し、「米国と日本が中国発の危機に対抗するため、1960年の米日安保条約後では最大規模の安保同盟のアップグレードを計画している」として、「両国間の作戦計画と訓練を強化するため、在日米軍司令部を再構成する計画」だと報じ」ました。

 

また、上記ジョンストン氏はハンギョレ新聞(同上)にも登場。「クリストファー・ジョンストン氏は、「司令部を部分的にでも共同配置すれば、米日同盟はさらに迅速に、地域の脅威に対する信頼できる対応が可能になり、『今夜でも戦う』(fight tonight)という(韓米連合司令部の)モットーにより近づくだろう」と分析した」

 

こうした日米軍事同盟の新段階の意味について、ハンギョレ新聞(同上)はこう分析しています。

 

「日本は2022年、北朝鮮や中国などの周辺国の基地を直接攻撃する「敵基地攻撃能力」(反撃能力)を保有することに決めた。過去70年あまり維持してきた安保政策を大転換した。自衛隊は「盾」で駐日米軍は「矛)」という役割分担は崩れ、自衛隊と米軍の一体化が急速に進展している。米国は、中国の軍事的・経済的な浮上への警戒から、日本を活用するためにこのような日本の変化を推し進めており、今回の米日同盟アップグレード案もこの動きの延長線上にある

 

きわめて的確な分析です。一方、日本のメディアはどうでしょうか。

 

「日米で連携を深めつつ、日本の主体的判断をどう担保するのかが、今後の議論になる」(28日付朝日新聞デジタル)

どちらが日米同盟の本質を捉えているかは歴然です。日米軍事同盟の危険性について批判を喪失したこの論評が日本のメディアの中では政権に批判的とみられている朝日新聞の編集委員らが書いた記事の結論です。

 

日本が今後、いや今、議論しなければならないのは、「日本の主体的判断の担保」などではなく、このまま日米軍事同盟によってアメリカに従属した戦争国家になっていいのか、それとも日米安保条約を廃棄して、憲法の非同盟・非武装・非戦の原則に立ち返るのか、の選択です。

 

安保条約第10条には、「いずれの締約国もこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行われた後一年で終了する」と明記しています。