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「天台宗の寺で性暴力」告発した尼僧の勇気

アリの一言 2024年02月02日 | 宗教と政治・社会

 

  

 

天台宗の寺で14年間(2009年から)、性暴力・恫喝をうけ続けた尼僧が1月31日記者会見し、直接の加害者である僧侶AとAをかばい性暴力を助長した大僧正Bの僧籍剥奪を天台宗務総長(大津市)に求める申し立てを行ったことを明らかにしました。

 

告発したのは四国に住む尼僧の叡敦(えいちょう)さん(55)(写真左)。告発されたBは僧の最高位の大僧正で、6人しかいないという比叡山千日回峰行を満行した「北嶺大行満大阿闍梨(ほくれいだいぎょうまんだいあじゃり)」の一人。AはBが「一番弟子」として叡敦さんに引き合わせた僧侶です(「A」「B」は叡敦さんが会見で使用した仮名)。

 

叡敦さんは会見で、「被害を公にしたのは、声を上げなければ新たな被害者が増えるかもしれないから。それは被害にあった私の責任放棄と言える」と述べました。

 

そして、「僧侶から信仰につけ込まれれば、簡単に洗脳され、性被害に遭ってしまう。信仰を利用された被害者はその信仰心ゆえにさらに声を上げるのが困難になる」とし、「信仰と性暴力の問題についてみなさんに一緒に考えていただきたい」と訴えました(会見の映像より)。

 

「寺」という閉鎖的社会で、上司にあたるAや大僧正Bの性暴力とその容認・助長(Bは叡敦さんが被害を訴えたにもかかわらず逆に叡敦さんをたしなめた)を告発し、僧籍剥奪を宗務総長に求めるのは並大抵の勇気・決意ではないでしょう。

 

「信仰と性暴力」の問題は邪教ではよくある話ですが、今回告発されているのは日本の仏教界で絶大な影響力をもつ天台宗でありその大僧正です。この重大さは、天台宗・仏教界だけの問題ではありません。

 

ところが、天台宗の総本山・比叡山延暦寺(大津市、写真右)がエリア内にある京都新聞は、このニュースを1日付の第2社会面ベタで雑報扱いしました。きわめて不可解で不当な扱いです。天台宗・仏教界に対するタブーがあるのだとすれば言語道断です。

 

叡敦さんが「自分が受けているのは性暴力だと認識」するようになったのは、「17年5月末に、性暴力を実名告発した伊藤詩織さんの記者会見の様子をたまたまテレビで見(た)」(31日付朝日新聞デジタル)のがきっかけでした。伊藤さんの勇気ある告発が叡敦さんを生き返らせたのです。

 

大僧正Bは朝日新聞の取材に、「事実かどうかも申し上げられない」(31日付朝日新聞デジタル)と逃げており、天台宗務庁は「対応を協議している」(同)と答えています。この問題をあいまいにし、もみ消すことは絶対に許されません。真相を徹底調査して公表し、加害者らに明確な責任をとらせなければなりません。

 

そして私たちは、「信仰(宗教)と性暴力の問題について一緒に考えてほしい」という叡敦さんの訴えに正面から向き合う必要があります。