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寺島メソッド翻訳NEWS

米国と同盟諸国がISISを創設し、資金を出し、武器を与えていた

 

<記事原文 寺島先生推薦>

US and Allies Created, Funded, Armed ISIS 筆者:クリス・カンサン(Chris Kanthan) 出典:「ワールド・アフェアーズ」ブログ(world affairs.blog) 2017年5月9日 <記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年1月30日

 

米国とその同盟諸国がISISを支援していたという考えは、ほとんどの人たちにとっては驚愕の事実であり、多くの認知的不協和を生み出すことになろう。そんな話を聞いた直後の反応は、「ありえない」「陰謀論だ!」などといったものだろう。しかしながら、全ての議論の余地のない証拠が、私たちの眼前にひろげられている。それらを組み合わせるだけの話だ。

 

ご存知のとおり、シリアのアサドを失脚させるために、米国支配者層があからさまにアルカイダやISISに武装させるわけにはいかぬ。そこで登場するのが、サウジアラビアとカタールだ。これら2国が、米国から武器を買い、シリアのテロ組織に輸送するのだ。経路は、主にトルコで、ヨルダンを経由することもある(トルコはシリアの北で国境を接し、ヨルダンはシリアの南で国境を接している)。

 

米国の支配者層にいる人たちはみな、ISISに資金提供をしているサウジアラビアとカタールの役割を認識している。例えば・・・

 

ヒラリー・クリントンは選対委員長ジョン・ポデスタにこう書いた。「カタールとサウジアラビアは、ISISや中東の他のスンニ派過激組織に、秘密裏に資金や軍事支援をおこなっている」と。

 

ジョー・バイデンも、ハーバード大学での興味深い演説で、サウジアラビアとカタールについて同様の事実を明らかにした。

 

2009年の国務省の機密電報にはこうあった。「サウジアラビアは世界最大のテロ組織への資金提供国家である」と。

 

・統合参謀本部長だったマーティン・デンプシー大将は上院での聴聞会でこう語った。「多くのアラブ同盟国がISISに資金提供をしている事実を把握しています」と。

 

NATO司令官のウェスレイ・クラーク将軍はこう言った。「我が国の友好諸国や同盟諸国はISISに資金提供しています」と。

 

大統領候補のエヴァン・マクマリンはこんなツイートを投稿した。「CIAでの私の任務は、米国と協働するよう、アルカイダを説得することでした」と。

 

DIA(米国防情報局)の高官らが2012年の国防総省白書で警告していたのは、米国はシリアの反政府勢力への武器提供をやめるべきだ、ということだった。その理由は、シリアの反政府勢力はもともとムスリム同胞団やアルカイダ、サラフィー主義者(イスラム教スンニ派の過激思想に追従する人々)からうまれたものだから、ということだった。

サウジアラビアがISISに提供した、爆薬や化学兵器の原料

 

ISISに資金や武器を与える国々に米国が何もしないのは変ではないだろうか? 怒りも示さず、非難も浴びせず、制裁も課さず、戦争を起こしたりもしていない。実際、ISISを支援するこれらの国々は、我が国が最も親しい国々でさえある!

 

ISISを同志だと思っている人々は誰か?

 

もっとおかしなことだが、米国もイスラエルもISISを好意的にとらえている。その理由は、ISISがアサドに対する政権転覆工作を支援している(していた)からだ。いうまでもないことだが、イスラエルとISISのあいだによい関係があることは疑いがない。

 

ジョン・ケリーが国務長官として認めたのは、米国の目的にはISISをてこに使い、アサドとの交渉を優位に進めることがあるという事実だった。同じ声明においてケリーが述べたのは、米国が多額の資金と努力を費やし、アサドを失脚させようとしていたことだ。さらには、プーチンの登場により、ISISが弱体化したことについても述べた。

 

イスラエル防衛相がある取材で語ったところによると、ISISがイスラエルを攻撃したのは一度きりで、その際ISISが即座に謝った!という。よく考えれば、この発言はじつに様々な点において尋常ではない。多くの人が、ISISは「イスラエル諜報機関」の味方である、と言っているのは、全く不思議なことではない。

 

イスラエル軍の諜報機関の長官は、ある演説の中でこう語った。「イスラエルはシリア政府よりもISISの方に好感をもっています」と。

 

イスラエルの著名なシンクタンクは、ISISは、「イランやヒズボラに対して役に立つ存在です」と述べた。

 

・ゴラン高原駐在の国連査察官の報告によると、イスラエルはシリアの反乱軍に武器を与え、負傷した反政府勢力団を支援している、という。

 

・イスラエルの複数の新聞が2017年報じたところによると、イスラエルは永年、ゴラン高原のイスラム民兵組織に武器を与え、資金を提供してきたという。

 

ニューヨーク・タイムズ紙のトーマス・フリードマンは、アサドよりもISISのほうがましだ、という記事を2本書いた。(2015年と2017年)。

ISISがイスラエル製の武器を持っていることが判明

 

ただし、私たちが武器を与えているのは「穏健派反政府組織」だ!!

 

シリアに対する6年間にわたる攻撃の中で最大の隠蔽工作は、我が国が支援しているのは「自由を愛する」反乱軍である、というものだった。これを超えるでまかせはないだろう。以下の2点が事実であることが明白なのだから。

 

A.いわゆる「穏健派反政府組織」の「自由シリア軍」は、タリバンや他のサラフィー主義組織と同程度にしばしばイスラム原理主義者である。つまり、ISISと同じくらい無慈悲で暴力的な組織でしかない、ということだ。

 

B.穏健派反政府軍はアルカイダやISISと混じり合い、協働していた。そのことは、主流報道機関でさえ幅広く報じていた。より詳しいことは、「穏健派反政府組軍という神話」という私の記事をお読みいただきたい。

「穏健派反政府軍」支配下の地域では、女性たちの服装に厳しい統制がかけられている

 

左:シリア軍兵士の実物の心臓を食べている穏健派反政府軍。右:CIAが精査し武器を与え資金を出しているなかで最大の組織であるアル・ジンキの一員が、10歳の少年の首を斬首したところを、ソーシャル・メディア上に誇らしげに投稿した。

 

しかし、想像上の「穏健派反政府軍」を口実に、何十億ドル相当の武器や何万人ものテロリストがシリアに送り込まれた。嘘ばかりつく主流報道機関でさえ、湾岸諸国からアルカイダやシリアのISISに武器が輸送され、資金が流されていることについて、何百もの詳しい記事を報道していた。

 

上記のことが、米国とその同盟諸国がシリアのISISに資金を出し、武器を与え、軍事訓練を施し、支援している説得力のある証拠だ。(ところで、なぜ米国がアルカイダやISISを支援し、必死にアサド政権を転覆させようとしているのだろうか?その理由は、石油・天然ガスのパイプラインと宗教(スンニ派とシーア派の闘争)にある。 私が書いた「シリアでの戦争の裏にある3つの動機と7つの国々」という記事をお読みいただきたい)。

 

さて、他の状況証拠についても考えてみよう。これらの状況証拠からも、同じ結論に達するのだが。

 

点を繋げば・・・ISISを支援している状況証拠が明らかに

 

ISISの誕生について深く注意を払ってみよう。つまり、ISISがどのようにして武器と資金を手にし、石油の取引をおこない、衛星放送やソーシャル・メディアを駆使し、強力になったかについてだ。そうすれば、ISISがグローバリストから多くの支援を得てきたことがはっきりと分かる。

 

ISIS誕生にまつわる疑わしき事実

 

まず挙げられることは、イラクのアルカイダ(当初はイラクのイスラム国(ISI)、その後ISISという名称に変更)の最高指導者は、CIAの刑務所で時間をすごしたという事実だ。一番の出世頭はバグダーディーで、ISISの最高指導者になり、2番目のジュラニはシリアのアルカイダ(アルヌスラ)の最高指導者になった。リビアとまったく同じような状況だ。CIAの刑務所出のアブドゥル・ベルハジがガダフィーとの戦争を率いたのだ。

さらに、のちにISISに加わった多くの外国人戦闘員はCIAとつながりがあった。たとえば、ISISの司令官のオマール・シシャニは、自分がジョージア国内のCIAの「花形学生」だったと報道機関に誇らしげに語っていた。

 

ISISは誰にも邪魔されず拡大した

 

NSA(米国家安全保障局)やCIAの優れた監視能力からすれば、ISISやアルカイダの最高指導者らの居場所をつかんでいないとは考えにくいことだ。これらのテロリストが、湾岸諸国の一国の贅沢な大邸宅に住み、そこから世界各国でのジハード作戦を監視していることは、別に驚くことではない。

 

ISISに関するすべての話は、はじめから馬鹿げていた。たった一本の銃だけを手にした多くのテロリストがイラクの大きな都市をいくつも制圧できるなんて。それと同時に、これらのテロリストは決してバグダッドを攻撃することはなかった。その事実は、この戦乱が「統制された混乱」であることを物語っていた。テロリストたちは巨大な武器を所持していた。戦車や追撃法やロケットなどだ。それほど多くの戦争もせずに、だ。さらにISIS は、これらのハイテク武器の使い方をすぐに理解していた。これは米国が訓練をしたあかしだろう。のちにISISは、広大な砂漠の中を、トヨタ製のピックアップ・トラックの新車や米軍製戦車1000台以上に乗り込み全く妨害をうけずに、進軍していた。イラク空軍やサウジアラビア国内の広大な米空軍軍事基地を使えば、ISISなど簡単に排除できただろうに。

 

おっと、ISISが我が国の武器を使っている

 

アムネスティ・インターナショナルからの2015年の報告が、「ISISの武器のほとんどは米国製である」と指摘した際、報道機関の専門家らは言い訳と説明に終始していた。その説明によると、米軍がISISの支配地域にうっかり武器を落としてしまった、というものだった。おいおい!

 

米国家安全保障局により、25億ドル以上相当の武器・軍事車両がイラクとクエートに送られたという説明のつかない事象が発生していることが明らかにされたのだが、あの件はどうなったのだろうか?

さらには、CNNが報じたISISの訓練キャンプの動画に「US」と書かれたテントがあった件は、どうなったのだろうか?

3年間、トルコは盗んだ石油の代価として米国製の武器をISISに売っていた。この行為は、プーチンが登場し、ISISの石油タンカーを破壊するまで続いた。タンカーは戦闘機の標的になりやすいからだ。米国がなぜおなじことをしなかったかについて問われた元CIA長官であり、ヒラリー・クリントンの支持者であるマイク・モレルは、「環境への被害を危惧したため」と答えた!こんな狂気にまみれた嘘など信頼できるはずがない。

 

ISISには攻撃したふり、シリア軍には本当に攻撃を加える

 

オバマはシリアやイラクに何千もの爆弾を落とし続けた。2015年と2016年だけで5万発だ。爆弾一つにつき、ISISの兵士が一人死んだとすれば、ISISの戦闘員は一人も残らなかっただろう。オバマがISISに対しておこなっていた戦争が嘘だということは、このことからも明らかだ。

 

米国やイスラエルは幾度となくシリア正規軍に攻撃をしかけた。そのことにより、常にISISやアルカイダを負け戦から救うことになった。(こちらこちらを参照)。

 

ISISやアルカイダを応援する報道機関と専門家たち

 

ISISは軍における、「陽動作戦」として知られている。明らかな事実は、ハリウッドやPR活動を使って、米国・イスラエルがISISの宣伝をおこなっていたことだ。ISISはソーシャル・メディア上で広く拡散されていた。具体的には、YouTubeやフェイスブックなどだ。多くの言語で、信じられないくらい創造的(ただし気分は悪くなるが)な動画やメッセージや衛星放送を使って、西側の人々に流し、残忍な宣伝を広めていたことはすべて、西側諸国の諜報機関から幅広い支援をうけていたはっきりとした証拠だ。(穏健に政治の間違いを指摘するだけでも、フェイスブックやツイッター、YouTubeが、アカウントを閉鎖したり消したりしていることを考えてみてほしい)。

 

報道機関との癒着や支配者層による露骨な宣伝の一例として、シリアのサウジアラビア人聖職者アブドラ・ムハイシーニ(ムハイスニ/ムヘイスニとも)を考えてみよう。ロサンゼルス・タイムズ紙は、彼を「スーパースター」、BBCは「カリスマ」と持ち上げている。ムハイシーニは30万人以上のフォロワーを持つツイッターのアカウントを持ち、YouTubeやテレグラムでも人気がある。衝撃的なのは、彼がシリアのテロリストであり、公然とISIS/アルカイダを支援し、幼い子どもたちを自爆テロに勧誘し、集団処刑に堂々と参加していることだ。

2017年7月にISISが敗北し、その首都モスルが解放されたときの主流報道機関の記事の題名は多くを物語っていた。祝福するものは誰もなく、モスルが「陥落した」と嘆く記事ばかりだった。そしてその記事で論じられていたのは、イラクがどのように復興するか、イラクが将来ISISのような組織をどのように回避するかというものではなかった。それどころか、ISISがいかにして復活するかという分析がなされていた! 超リベラルなニューヨーカー誌は、「モスル陥落。 ISISの次は何だ?」という記事を出し、保守的なウォールストリート・ジャーナル紙は、「モスル陥落はISISにとって何を意味するのか?」を重苦しく考える記事を出した。

 

最後になるが、アサドがシリアで人殺しをすれば、西側諸国は嘘泣きをして、ショックを受けた振りをして、空爆をすべきだと主張する。しかしISISがヨーロッパで人殺しをすれば、政治家や報道機関は、私たちに、慣れればいい、とだけ伝える。

 

なぜだ。全体像はどうなっているのか?

 

アルカイダやISISやアル・シャバブ(ソマリア)やアブ・サヤフ(フィリピン)、ボコ・ハラム(ナイジェリア)などのイスラムテロ集団はみな、グローバリストたちにとっては、都合のいい道具だ。イスラムテロ組織は、兵士たちが安い値段で手に入り、しかも獰猛に戦い喜んで死ねる兵士たちだ。数も多く、世界中からかき集めることも可能で、終わることのない戦争の傭兵として利用できるので、世界覇権を夢見る軍産複合体や裏で糸を引く人形使いたちにとって、素晴らしい組織なのだ。さらに彼らを使えば、政治論争や議会・国民の承認抜きで代理戦争を始めることもできる。そうだ。何カ国は破壊され、味方だと思っていた勢力からテロ攻撃を受け、大量のイスラム教徒移民がヨーロッパや米国に押し寄せ、社会混乱が生じるなどの事象が発生するだろうが、得られる利益からすれば、仕方のないことなのだ。これは不都合な真実であり、このことについては、「グローバリスト達とイスラム教徒テロリストたちのけがれた同盟」という私が書いた記事をお読みいただきたい。