読書室
西谷文和氏編『統一教会の闇 アベ政治の闇 まだ止められる大阪カジノ』日本機関紙出版センター 2022年11月刊
○本書は、統一教会とアベ政治に関する識者四人と西谷氏との対談を中心として、さらに大阪カジノはまだ止められると訴えている、一読の価値あるタイムリーな出版物である○
本書は、約三分の二が編集部と識者四人との対談で構成されている。第1章は、「アベ政治とは何だったのか? 統一教会、国葬、五輪疑惑」と題されている。
まず登場するのは、鈴木エイト氏で「自民党の統一教会汚染を追跡して3000日!」との主題で対談している。続いての登場は、佐藤章氏で「アベ政治とは何だったのか? 統一教会、国葬、五輪疑惑」との主題で対談している。
次の登場は、内田樹氏で「統一教会の闇、自民党アベ政治の闇」との主題で対談している。
その次の対談者は、佐高信氏で「国葬反対運動を倒閣運動へ」との主題で対談している。
最後の登壇者は、元文部官僚の前川喜平氏で「旧統一教会と自民党。歪められた教育行政」との主題で対談している。
本書は、類書と異なって対談本であり、またほとんどが一問一答形式で問題が論じられていることもあって、極めて分かり易く話が展開されている。そのため、統一教会と自民党との関係を考える上では、まずは最良の一冊と言って差し支えないものであろう。
私自身も、内田氏の国際的に見た統一教会の実態、前川氏の統一教会と下村博文文科大臣時代の教育行政の犯罪的な役割についての発言には、大いに啓発されたものである。
また第2章を構成する大阪カジノ問題は、西谷氏がこれまで一貫して追及してきたものである。そして大阪維新の会が強力に進める大阪カジノに対し、めげることなく意気軒昂な「まだ止められる大阪カジノ」との見解も、実に具体的で私たちに訴えるものがある。
その意味において、読者の皆様へ是非とも一読をお薦めしたい本である。