野田民主党罪状認否が不可欠である! | ワーカーズの直のブログ

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5th Nov 2022野田民主党罪状認否が不可欠(植草一秀氏)

次の衆院総選挙は衆院解散がなければ2025年秋。参院選は2025年夏。「空白の3年」が生じている。選挙に向けての戦いの構図を構築するのはいまだ。時間があるときに何もやらずに、選挙が差し迫って戦いを断念する。この悪しき風習が繰り替えされてきた。同じ轍を踏まぬよう、いまこそ行動するべきだ。

2021年衆院総選挙、2022年参院通常選挙で野党第一党の立憲民主党が大惨敗した。その要因を直視することが立て直しの出発点になる。立憲民主党が大惨敗した理由は単純明快。立憲民主党が共産党を含む野党共闘を否定したことにある。

 

枝野氏は2021年衆院総選挙期間中に次のように述べた。「野党共闘」というのは皆さんがいつもおっしゃっていますが、私の方からは使っていません。あくまでも国民民主党さんと2党間で連合さんを含めて政策協定を結び、一体となって選挙を戦う」

野党共闘の対象は国民民主党と連合であって、共産党、社民党、れいわ新選組は共闘の対象ではないと明言した。この姿勢が示されたことで、野党共闘を支持する主権者が立憲民主党支持から一斉に離反した。立憲民主党の凋落は基本データに鮮明に表れている。

旧民主党=旧民進党の「立民+希望」、「立民+国民」の比例代表選挙絶対得票率(全有権者数に対する得票数の比率)推移は以下の通り。
2017年衆院選 20.0%
2021年衆院選 13.7%
(立民11.2%、国民2.5%)
2022年参院選  9.4%
(立民6.4%、国民3.0%)
とりわけ立憲民主党の得票率激減が顕著。

他方、自民党得票率推移は以下の通り。

2017年衆院選 17.9%
2021年衆院選 19.4%
2022年参院選 17.4%

自民党得票率が増加したわけではないが、絶対得票率は安定的推移を示している。

衆議院総選挙では小選挙区が、参議院通常選挙では1人区が全体の勝敗を分けるキーファクターになる。政権交代を実現するには
議会過半数議席を確保することが必要。小選挙区、1人区で大きな勝利を得なければ政権交代を実現することはできない。しかしながら、数を合わせるために政策を無視して糾合するのは野合。政権を獲得してもすぐに行き詰まる。「政策を基軸」に共闘体制を構築することが必要不可欠だ。

立憲民主党が共産党を含む野党共闘に背を向けたのは、連合が共産党との野党共闘を否定したからだ。連合に牛耳られる立憲民主党のなれの果てが現在の凋落である。連合は大企業御用組合と本来の労働組合の寄り合い所帯。現在は大企業御用組合連合の「六産別」が支配権を握ってしまっている。この「六産別」が共産党との共闘を否定し、この指令に立憲民主党が隷従して立憲民主党が大惨敗した。

連合は「大企業御用組合」と「本来の労働組合」とに分離・分割されるべきだ。「政策基軸」が重要だが基本政策路線が完全に異なるのだ。「平和主義」、「原発廃止」、「消費税減税・廃止」と「戦争態勢構築」、「原発推進」、「消費税増税推進」という相違が存在する。いま必要なことは、「平和主義」、「原発廃止」、「消費税減税・廃止」を基軸とする野党共闘を構築すること。

立憲民主・維新・国民は「隠れ与党勢力」に転じている。共産党を含む野党共闘勢力によって直ちに政権を樹立することは容易ではないだろう。しかし、基本政策を明確にして、その政策を基軸に共闘体制を構築することが何よりも重要だ。旧民主党=旧民進党=立憲民主党=国民民主党のなかに消費税増税推進派が存在する。

2009年8月の総選挙で民主党は消費税増税反対を打ち出した。論陣の先頭に立ったのが野田佳彦氏。衆院総選挙を目前に控えた8月15日、野田佳彦氏は街頭で声を張り上げた。「マニフェスト、イギリスで始まりました。ルールがあるんです。書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです。それがルールです。書いてないことを平気でやる。これっておかしいと思いませか。書いてあったことは4年間何にもやらないで、書いてないことは平気でやる。それは、マニフェストを語る資格はないというふうに、ぜひ、みなさん、思っていただきたいと思います。消費税5%分の皆さんの税金に、天下り法人がぶら下がっている。シロアリがたかっているんです。シロアリを退治しないで、消費税引き上げるんですか? 消費税の税収が20兆円になるなら、また、シロアリがたかるかもしれません。鳩山さんが4年間消費税を引き上げないと言ったのは、そこなんです。シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。」
https://bit.ly/3SF6GC3

野田佳彦氏は「白アリ退治なき消費税増税は許されない」を声高に訴えて2009年8月総選挙に臨んだ。この民主党が大勝して鳩山内閣が樹立された。ところが、その野田佳彦氏が変節した。史上最悪の変節漢と言える。財務副大臣、財務大臣のニンジン
をぶら下げられて、財務省の側に寝返ったのだ。2011年の民主党代表選で野田氏が勝利した背景に財務省による工作があったと見られる。野田に投票すれば予算措置で色を付けることが確約されたと見られている。

財務省は消費税増税推進に転向した野田佳彦氏を代表戦で勝利させ、消費税大増税を法定化することを画策した。2009年9月に樹立された鳩山由紀夫内閣はわずか8ヵ月で破壊された。普天間の国外・県外移設方針が妨害されて、辺野古移設に回帰したことが主因だった。民主党内の対米隷属勢力が鳩山首相ではなく日米合同委員会の指令に従って動いた結果である。

2010年6月に菅直人氏が権力の座を強奪し、7月の参院選に臨んだ。参院選に向けて菅直人氏が公約発表会見を開いたのが6月17日。ここで菅直人内閣は消費税率を10%に引き上げることを明示した。民主党政権公約の完全破棄だった。この結果として2010年7月参院選で菅直人民主党は大惨敗した。

 

菅内閣は参院選が菅内閣に対する信任投票であると位置付けた。その参院選で大惨敗したのだから、直ちに首相の座を明け渡すべきだったが、菅直人氏は首相の椅子に1年もしがみついた。1年後にバトンを引き渡したのが野田佳彦氏。主権者が背徳の民主党を許すわけがない。2012年12月に野田佳彦氏は自爆解散を断行。政権を安倍晋三自民党に奉還した。

年内選挙を強行したのは50名規模の小沢新党(「国民の生活が第一」=「未来の党」)に多額の政党交付金が交付されるのを
阻止するためだった。史上最悪の「変節漢」、「悪徳漢」だった。国会で安倍晋三氏追悼演説を行い、安倍氏にかこつけて自分の行状を美談にし立てて述べたのは、あまりにも見苦しい、虫唾が走るものだった。

変節、かくれ与党、対米隷属の立憲民主党勢力を完全排除しなければ、国民に信頼される野党共闘体制を構築できない。