古賀茂明「菅官房長官のポチだった林文子横浜市長」
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AERA dot. 8/27(火) 7:00配信 週刊朝日 2019年9月6日号

カジノ誘致を発表した林文子横浜市長 この直後に悪態を…(C)朝日新聞社
お盆休みが終わった8月22日、横浜市の林文子市長はカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致すると発表した。こんなに横浜市民を馬鹿にした話はない。ほとんど詐欺ではないか。
林市長は、元々はカジノ誘致積極派だった。しかし、17年の横浜市長選挙の際、市民の反対の声が強いと見るや、突然方針を転換。カジノ誘致は「白紙」として、「慎重派」のフリをした。そして、今回、態度を豹変。21年の市長選挙の前年である来年には誘致を決めてしまおうというのだ。
安倍政権の大黒柱である菅義偉官房長官は、地元が横浜で、林氏の後見人と言われる。「後見人」とは聞こえが良いが、林氏は菅氏の「ポチ」だということ。林氏は菅氏の子分としてカジノを推進するしかないのに、自分の選挙のために、一時だけ慎重派を装った。
菅氏と言えば、かねてカジノ誘致の最大の旗振り役。壮大な利権の総元締の地位を狙う人物だ。最近は、「令和おじさん」として、知名度も向上。ポスト安倍の最右翼にまでのし上がっている。総理への道には巨額のカネが必要だから、カジノ利権は喉から手が出るほど欲しいはず。そのためには、地元に巨大カジノをつくるのが一番だ。
いわゆる「カジノ実施法」は、A4で302ページ、本則だけで251条もある。カジノに関連する、ありとあらゆる規制を網羅しているからだ。例えば、カジノに関わる企業や個人についてだけでも、カジノ企業、その代表者、役員、株主、監査人、土地や施設を貸す者、スロットマシンやトランプなどの製造者、それらを検査する機関など、非常に多くの関係者に規制を課す。もちろん、許される賭博の種類、そのルールなども事細かに決める。さらには、場内での金貸しやマネーロンダリングの規制など、規制の数は、数百というレベルになるだろう。
政府は、これをもって、「世界一厳しい規制」だと胸を張るが、長年官僚をやっていた私から見れば、これは、令和最大の利権創出だ。なぜなら、規制の数が多い上に、世論の声を背景にその水準を厳しく設定できる。そうなれば、業者から、すぐに数えきれないくらいの規制緩和の陳情が入る。その一つをほんの少し緩めるだけで、業者からは多額のカネが政治家にわたり、官僚には好待遇の天下りポストが提供されるのだ。その種は何十年経っても尽きないだろう。その総元締を菅氏が握れば、彼の権力基盤は一気に強化される。
一方、厳しくすると言っても、やりすぎれば業者が全く儲からなくなり、カネも入らないから、あちこちに穴があるのも事実。例えば、週3回、4週で10回という有名な規制も、実は、1回が24時間なので、月曜夕方から入って、火曜夕方まで賭博をやり、その夜は場外のホテルに無料宿泊券で泊まらせて、また水曜夕方から木曜夕方まで徹夜で賭けさせる。金、土も同様で、日曜は場外馬券売り場。このサイクルを3週間続けても、まだ9回で1回余る計算だ。依存症をなくすというが、依存症があるから大儲けできるのがカジノ事業者。そんな言葉を信じるほうがどうかしている。
さらに、誘致を狙う外国人観光客と同時に、マフィアが世界中から集まる。日本の警察がこれを抑えられると考えているなら正気の沙汰ではない。
選挙の時に嘘をつき、次の選挙の前に市民を裏切って誘致を決める。民主主義の完全否定と同じだ。市民は、直ちに住民投票を求めて立ち上がるべきだ。
資料ブン投げ映像が波紋…カジノ誘致の林市長は万事休す
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260835 2019/08/26 日刊ゲンダイ
カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致表明をめぐり、横浜市が大揺れだ。カジノ誘致を「白紙状態」と訴え、一昨年3選した林文子市長の方針転換に市民は猛反発。22日に市役所で会見した林市長は報道陣の追及にイラ立ちを隠さず、終了後のペーパーぶん投げ映像がSNSで拡散され、ますます株を下げている。林市長のリコールを求める動きは加速必至だ。
会見で林市長は、カジノ誘致の理由として高齢化や人口減少による財政難を挙げ、開業後の経済効果が1兆円に上るとの試算を公表した。しかし、昨年、市が実施したパブリックコメントでは94%が誘致に否定的。そうした点を会見で問われると、「〈白紙にした〉というのは一切やりません、ということではないんですよ」「納得いくかは、みなさまがお決めになること」と憮然とした表情で開き直っていた。
会見後の林市長の行動もホメられたものじゃなかった。24日放送の「報道特集」(TBS系)が悪態をオンエアし、話題騒然だ。それによると、ペーパーの束を手に仏頂面で会場を後にした林市長は執務スペースに姿を消した。その直後、すりガラス越しに見えたのは、大量のペーパーが放り投げられ、宙に舞う様子。林市長が怒りにまかせてブン投げたのだろう。林市長の本性が垣間見えるこの映像はツイッターで拡散されている。
林市長、カジノ発表資料をブン投げる!? https://youtu.be/yODhrMA9DqI?t=6
カジノ問題に詳しいジャーナリストの横田一氏は言う。
「市民の間では〈林市長にだまされた〉という声が広がっている。市長リコールと同時に、カジノ誘致の賛否を問う住民投票実施に向けた署名集めの動きに弾みがついた格好です。前回の市長選で林市長を応援した民進党(現在は立憲民主党)の牧山弘恵参院議員は選挙中、〈林市長はカジノ賛成ではない〉〈市民の意見を聞いて、それに従うことを約束している。一筆取っている〉と言っていました」
横浜市の有権者は312万2275人(7月3日現在)。リコールには約49万人の署名が必要だ。前回市長選の林市長の得票数は59万8115票。カジノ誘致反対を掲げた対立候補2人の得票数は合計で52万7562票だ。クリアできない数字ではないだろう。
「ハマのドン」と呼ばれる横浜港運協会の藤木幸夫会長も「山下ふ頭は我々の聖地。命を懸けて反対する」とボルテージを上げている。林市長は万事休すじゃないか。