雑記:17(RIP, Ola Hermanson from Sonic Surf City) | Bubble and Squeak Records~134の雑食音源レビュー~

雑記:17(RIP, Ola Hermanson from Sonic Surf City)




POP PUNKが好きで、夏も好き。そんな私がSonic Surf City(以下SSC)にハマると言うのは必然だった。SSCの存在を知った当時、彼らは一回目の解散中であり、アルバムを始めとする音源は希少であり、高騰しているような時代だった。時が経ち、2009年に活動を再開。その後アルバムもコンスタントにリリースする中で日本のWATERSLIDE recordsがオーガナイザーのもと3回の来日を果たした。最後となる2023年の来日は活動終了が決まった中で、古くから応援してくれていた日本のファンのために活動最後を日本でと言う心意気のもと実現した。

私自身も音源を探し続け、復活後のアルバムも欠かさず購入。夏になれば必然と聴きたくなるバンドの一つであり、来日公演も毎度行くほど好きなバンド。それはずっと変わらない事だった。


そんなSSCのフロントマンであるOla Hermansonが亡くなったと言う訃報が飛び込んできた。

悲しくて、やりきれない気持ちで我慢していても涙が溢れてきた。


私にとっても最高の想い出となった2023年最後のツアー。あの日の想い出(珍道中)をここに記してないと思い、追悼の意を込めて当時の想い出をここに残したいと思います。



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2023年某日、SSCが最後の日本ツアーを行うと知って私は悩んでいた。日程は大阪-名古屋-東京の3箇所。予定と金銭が合えば全公演回るのも辞さない気持ちだった。

そんな私にWSのカズさんは「行くんならツアーの機材車に一緒に乗ってく?」とお声をかけてくれた。

私は気を使うタイプ+予定がまだ未定だったのもあって保留にしてもらった。

それから暫くして、私は全公演を行くことに決めた。そしてライブでカズさんに会った時に“まだ行けるか”の確認をしたところ、“前日に大阪入りするから、大阪まで来てくれたらそれ以降は行けるよ”と言うことでお言葉に甘えさせて頂くことになった。









・2023/11/3
ツアー初日の大阪へ向けて私は新幹線に乗っていた。今日から始まるツアー。ツアーで一緒に周ると言うのは大変だけど、楽しいと言うことも知っていたので、これから始まる大人の修学旅行的なものにワクワクしていた。

そんな時、カズさんから連絡が入った。


「ごめん!SSCのメンバー2人が車に乗せてくれってなって席がなくなっちゃった!」

色々と諸事情があって、新幹線移動の2人が機材車移動になってしまったと言う。もちろん主役なのでそちらが優先。

「おいおいおい….。マジか…!?」

移動手段も宿も取ってない私の3日間のツアーが始まった。正直ワクワク感が止まらなかった。

私は良い大人だし、国内だし、何なら行き当たりばったりの旅は慣れているので何とかなると思っている。なので本当にワクワクしていた。

そんな心境のもと新大阪に着き、そこからライブ会場に向かうとSP recordsがすでにいた。SNSで繋がっていた4Cさんも居てこの日が初対面である。

そしてカズさんとも会い、「本当ごめん」と謝ってくれた彼と私のTシャツがVarnagelのお揃いペアルックであり、めちゃくちゃ笑った。

とりあえず新大阪-名古屋間の新幹線のチケットを取り、宿を検索。インバウンドの大阪はカプセルホテルも満室でホテルはめちゃくちゃ高い。漫喫に電話しても予約はできなかった。

とりあえずライブを楽しもうと思った。大好きなピギーズとSSCが一緒に共演なんて最高でしょ。

ライブ終了後、Olaにサインを貰ったり、一緒に写真を撮ったりした。初来日の時もそうだったけど、めちゃくちゃ気さくな人なのだ。

とても驚いたのが、サイン&写真をお願いしに行った時に、Olaが自分の名前を呼んでくれたのだ。その時は“FB上でやり取りしたからたまたま覚えてたんかな?”くらいにしか思ってなかったが、それでもめちゃくちゃ嬉しくてテンション爆上がりした。


ちなみにこの日、トイレ待ちしてる時にお声掛けしてくれた人がSNSで繋がっていたKUROさんだったり、アイダホのタクヤさんと一緒に推しのアイドルライブが近くでやっててライブはしごで来たさいたまさんと言う素敵な出会いもたくさんあった1日だった。


当の私は宿問題の現実に戻る。

大阪中心街の漫喫は店に行っていっぱいで入れない可能性が濃厚。いっその事、神戸まで行ったほうがカプセルホテルや漫喫に泊まれる可能性が高いことに賭けて向かうことにした。そこまでの移動は帰り道だからと言うことでSPが車に乗せてくれた。


結果、カプセルはダメだったけど、漫喫には即入れた。時刻は深夜、数時間後には起きて名古屋に向かわなければ行かない理由があった。










・2023/11/4
ツアー2日目の名古屋はPOP PUNK FEST。夕方から始まる。その前に私には予定があった。

スウェーデンからDLKのマートが日本に遊びに来ていて、“なんか良いライブないか?”と言うことでこの日一緒に行くことになっていた。その前に一緒に昼飯も食べようとなっていたので、朝から神戸を出発し名古屋へ向かっていたのだ。(ちなみに新幹線のチケットは前日に変更済み)

寝不足でフラフラになりながら名古屋到着。マートも知ってる名古屋駅の金の時計で待ち合わせ。名古屋在住のDLKファンであるカオリちゃんとピーナッズのトミー君も誘ってみんなで名古屋飯、からの公園で外飲み。そして夕方に会場入りした。

ちなみにSSCの最後のツアーを全て行くと言う猛者は私の知ってる人でお二人いて、神戸の原田さん、大阪のサトシさん。会場で会った時はSASUKEで次のステージへ無事に辿り着いたようなSASUKEオールスターズにも似た友情が私にはあった。


この日のライブはPOP PUNK FEST。久々に会えた北海道のFELIX!(THE BAND)とか胸熱だった。もちろんSSCも最高。前日より狭い空間と等身大に近いステージで彼らの音を浴びると共に、“明日で最後なのか..”と言う寂しさも既にあった。

この日は知り合いもたくさんいたので、気がついたらSSCのメンバーとは全然喋らん&写真も撮らずに終わっていた…(泣)



さて、私にはこれから2日目の帰る手段&宿問題があったのだが、この日出演していたTHE HATHAWAYSに救われた。車で日帰り名古屋を決めていて、席空いてるので乗って行きます?と言う神の一言に甘えさせてもらった。途中のSAでは偶然ペロタン号と会ったり、私の”万引き疑われの眼差し事件“などがあったのも思い出す。本当にお荷物な私なので”寝ないように話し続けよう!“と思っていたが、SAを出た後はすぐに撃沈。気がついたら東京は中野に着いていた。

運転手のだいちゃんは中野で車中泊、他のメンバーは一旦帰路へと早朝の始発で別れた。だいちゃん本当にありがとう。THE HATHAWAYSありがとう!!









・2023/11/5
夜、再び中野へ。

原田さんとサトシさんとも無事に会場で再会。3日目ともなると戦地を生き延びた戦友のような心境である。お互い良くご無事で…。ちなみにこの日に原田さんによる伝説の“サイゼ泊”と言うパワーワードが生まれた日でもあった。


SSCは本当に最後のライブ。もうこのワードだけで泣きそうになるってもんだ。だが、個人的にはこの日に別の意味でグッとくることもあって、それはOlaが本当に自分の事、顔と名前をちゃんと認識してくれていたと言うのがわかった。メンバーと一緒に写真を撮ってもらった時も”彼は古くから応援してくれてるファンだ“的な感じで紹介してくれた。

めちゃくちゃたくさん喋ったわけでもないし、一緒にツアーを過ごしたわけでもない、日本人ですら他の人と間違えられる量産型の私の事をOlaが認識してくれてたと言う事実がどれほどグッとくるかは容易に想像できるでしょう。

ツアーファイナルも最高のライブで終わり、寂しさもあったけど個人的にも大満足なものとなった。






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時は現在に戻り、2025年10月4日。SNS上でOlaが亡くなったと言う訃報を目にした。

仕事中ではあったが涙が止まらなかった。同僚に悟られないように歯を食いしばり、声を押し殺してみるものの、自然と溢れ出る涙だけはどうすることもできなかった。


前途に述べたように、私はOlaと一緒に飯食ったり、観光をしたりした間柄では無かった。側から見たら薄い関係と思うかもしれない。だけど、自分が好きなバンドの人、その人も自分を知ってくれてると言うことがもはや自分にとって遠い存在の人では無かったのだ。


虚無感に襲われる数日が経った時、ふと思い出されたのがこの最後のツアーだった。SSCを好きだったと言うことで、オッサンになった今でも新しい出会いや、たくさんの友達と一緒に観ることができたと言う心に残る3日間だった。


Olaが亡くなってから私はまだSSCの曲を聴くことができないでいる。だけど何かの拍子にふらっと聴く時がくるだろうし、何なら来年の夏には絶対聴いている。そして、それはこれから先もずっと続いていくことだと思ってる。その度にこのツアーの事も思い出すだろうし、さらには初来日時の初めてOlaと写真を撮った緊張した日まで思い出すだろう。私は決して忘れることはない。

RIP, Ola “Woodie” Hermanson.