過日、広島県へ。
広島市内には何度も宿泊しているが、今回は日本三大醸造地に数えられる西条での酒蔵巡りをメインに、これまで通過するばかりで歩いたことのなかった県東部エリア2泊3日の旅程を組んだ。
東京から乗り込んだ「のぞみ」は、3連休の家族連れやインバウンド客に加え、ミャクミャクグッズを身に付けた万博リピーターらしき若者の姿も多く、車内放送では自由席に座れない人はグリーン車以外の号車に分散して立つよう案内されている。
こちらは、安定のSWORK Pシートでゆったりだが、大雨による運用変更のせいか予定されていたN700Sではなかったので、通路側席にはコンセントがない。
新横浜を満席で発車し、岡山で座席の半分が空く頃になると車内の雰囲気が緩んで、通路を挟んだ向かいでワンカップをやっていたおじさんが靴を脱いで壁に寄りかかりながら、2席使ってスマホをいじっている。
東京駅から約4時間で広島駅に着き、上りホームに移動してこちらの編成を見送る。
先ほどの東広島通過時に待避する姿が一瞬目に入ったハローキティラッピングの500系新幹線。
その風景を直に目にすることはもう永遠にできないが、日本一新幹線からのアクセスがいい路面電車乗り場になった新たな停留場の完成を喜びたい。

1番線2番線のような数字ではなく、A、B、C、Dとアルファベットで乗り場を案内しているのは、路線の系統番号との混同を避けるためだろう。
新しい乗り場で電車の出入りをしばし眺めてから、乗り場Bから発車時刻の迫っていた広電宮島口行きの車内へ。
新開業区間を味わい今回の広島旅行の最初の目的は果たしたので、あとは寝る時間までに宿泊地の三原に着けばいい。
さて、どうしようかと考えていると運転席後ろの席が空いたので腰掛け、ゆっくりと広島の目抜き通りを進む路面電車の前面展望を楽しむ。
せっかく最良の席に座れたのだから今日はこのまま広島電鉄を楽しもうと、信号が赤になって停車したタイミングで運転士さんから1日乗車券を購入。
西広島から専用軌道に入り速度の上がった広電宮島口行きの車窓を眺めながら、6年前に広島電鉄完乗した時のことを思い出す。 1日乗車券を買ったので気の向くままに乗り降りしようと、まずは広電廿日市で下車し、前から立ち寄りたいと思っていた場所に向かった。
(つづく)