【260】からのつづき
駅ビルで一杯やってから、熱風が体にまとわりつく富山駅前に立つと、帰りの新幹線の発車まで1時間以上ある。
当初は氷見~脇~七尾~金沢を経て帰京するつもりだったので、金沢17時57発の「かがやき」の指定席を取っていたが、【258】で記したように七尾には向かわず氷見から富山に戻ってきたことから、16時ごろに富山を出る列車に変更しようと、先ほど南富山での折り返し時にスマホで乗変を試みたものの、17時29分発の臨時「かがやき536」まで空席がなかった。
さて残り時間をどう過ごそうかなぁ、と思いながら富山地方鉄道軌道線(市電)乗り場に向かうと、富山大学前行きの旧型車両が停まっていたのでふらりと乗車。
3つ目の丸の内までは、おととい乗った岩瀬浜~循環線の6系統と同じ経路をたどり、循環線が左折した交差点を富山大学前行きは右折して富山県道44号を西に向かう。
富山大学前までは25年ほど前(当時の停留場名は大学前)、越中八尾おわら風の盆を楽しんだ翌日に市電で向かったことがあるが、せっかくだからおとといの岩瀬浜~循環線、先ほどの富山駅~南富山往復と合わせて、令和富山の市電完乗を目指す。
旧型車両は吊りかけモーターの音を豪快に響かせながら富山大橋で神通川を渡ると、トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町)停留場に着く。
令和3年に現在の名前に変更され、日本一長い駅名となった。
いわゆるネーミングライツによる駅名変更が全国で頻繁に起きているので、日本一長い駅名も数年、短い時には数ヶ月前で入れ替わるが、今のところここが字数でトップに立つ。
そのまま富山駅まで運ばれトラムから降りると、つま先に違和感を覚えるので目をやると、いつの間にか靴の先が口を開けている。(キタナイ写真でスミマセン)


2年前に買ったホーキンスのウォーキングシューズで、各地でのぶらぶら歩きを足元から支えてくれた相棒だが、越中富山で命脈が尽きた。
すぐに近くのビル内にあるABCマートに駆け込み、代わりのシューズを購入して相棒の処分を頼む。
履き慣れぬシューズで新幹線に乗り込み、相棒との旅先での別れを惜しんでいると、「かがやき536」は40分ほどで長野県に入り、2泊3日富山の旅が幕を閉じた。