【257】からのつづき
タクシーを降りて氷見線ホームに向かうと、こんな車両が1両で発車を待っている。
昨日城端線で乗ったキハ47の両運転台バージョン・キハ40。
発車まで10分近くあるものの、1両のせいか満席に近く、何とか見つけた空席に腰を下ろすと、他のホームに列車が着いたのか数十人が乗り込んできて通路が立ち客でギッシリになる。
金屋町から早足で歩いてきていたら、汗だくで吊り革につかまるハメになったに違いなく、900円のタクシー代は結果的に氷見線の着席料になった。
列車は高岡駅を出ると左にカーブして、あいの風とやま鉄道のレールから離れ高岡市内の住宅地を走る。
「魔の2歳児」とも呼ばれるイヤイヤ期は、思春期や反抗期と同じく大人になるための大事なステップだということがだいぶ知られるようになってきたせいか、周りに腹をたてている様子の人はいない。
お盆時期で休日ダイヤの今日は、氷見駅口13時20分発の加越能バス脇行きに乗れば、終点で11分の待ち合わせで北鉄能登バスに乗り継ぎ、七尾駅前には14時35分に到着することができる。
氷見~七尾間のバス乗り継ぎ移動は、バス好きや乗り鉄にはよく知られたルートで機会があればやってみたいと思っていた。
今回はその機が巡ってきたと考え、七尾からはJR七尾線で金沢へ抜けることを想定して、帰りの新幹線は金沢からの指定席を押さえていた。
しかし、七尾まで行ってすぐに金沢へ向かい、新幹線に乗り継いで東京に帰るのは能登半島に失礼な気がしてきた。
昨年は元日からの大地震に見舞われ、7月の豪雨が追い打ちをかけて復興のままならぬ能登半島に、喩えは悪いがトイレを借りるように立ち寄っただけで、カネも落とさずボランティアもせずに背を向けて去るのは忍び難い。
昨日の雨の影響で七尾市に出されていた土砂災害警戒情報が、今朝の段階で解除されていないのも気になっていた。
氷見~七尾のバス乗り継ぎは、能登半島での宿泊とセットでいずれ楽しむことにして、今回は氷見の町を歩いてからバスで高岡駅に戻ることにした。
(つづく)