【222】からのつづき
新幹線ホームから在来線ホームに入ると、函館方で「はこだてライナー」が発車を待っている。
札幌周辺を中心に活躍する通勤型電車733系の「はこだてライナー」仕様で、3両編成の車内は新幹線から乗り継いだ客で満席となり、新函館北斗を発車する。
途中、五稜郭に停車して新函館北斗から15分で函館に到着。
改札口へ急ぐ人たちを見送り、広々したホームを眺めながら爽やかな風を吸い込んで函館に来たとの実感を噛み締める。

これまで50回以上訪れた札幌では、新千歳空港の地下ホームから快速「エアポート」で高架の札幌駅に運ばれ、そのまま地下鉄に乗り継ぐというパターンが多く、北海道に入った実感を抱けないまま時間が過ぎることもしばしばだった。
今回初めて鉄道で道内入りしたこともあって「はるばる来たぜ函館」との思いが確かに感じられる。
改札を抜けて路面電車に乗り、今夜の宿泊地である湯の川温泉方面に向かう。
今朝は10時45分東京発の「はやぶさ」乗車前にブランチを済ませようと、1時間前に着くよう家を出たものの、中央・総武各駅停車で発生した人身事故の影響で、東京駅ではわずかな時間での乗り継ぎとなり、食事や弁当購入の時間は確保できず、朝からお茶を飲んだだけになっていた。
実は路面電車を降りて五稜郭を目指す道すがら、函館名物のハンバーガーショップがあるのを確認していた。

壁に掲げられた「ご当地バーガー全国No1」の文字に腹が鳴ったが、函館で最初に口にするのは海鮮と決めていたので、空腹に堪えながら五稜郭観光をしたのだった。
東京駅でしっかり食事を摂ることができていれば、湯の川温泉に浸かってから湯上がりの一杯とともに海鮮に舌鼓を打つつもりだったが、前述の理由により空腹が極まり入浴前に何か食べたい。