【201】景徳院で風をきく | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

【200】からのつづき


天目のバス停に戻ると、先ほど乗ってきたポンチョが塩山駅行きとして発車を待っている。


せっかく1本早い天目線(正式には甲州市民バス甲州市縦貫線)に乗ることができたのだから、日川沿いの遊歩道をゆっくりと下るつもりでいたものの、熊に遭遇したらと想像するだけでハイキング気分が半減するので、わずか数分で天目をあとに次の目的地を目指す。


バスは先ほど来た道を戻り、定休日の「やまと天目山温泉」の前を通って10分ほどで景徳院に到着。


ここは、天目山の戦いで自害に追い込まれた武田勝頼公を弔うため徳川家康が創建を指示したとされる曹洞宗の寺で、以前から訪れたいと思っていた。

4日前にすぐ近くを通りながら武田信玄公の菩提寺である恵林寺に立ち寄らなかったのに、息子である勝頼公の菩提を弔う景徳院を訪れたのは、中央本線で甲斐大和駅を通るたびに目にしてきたこの看板の影響も少なからずあるように思う。
かつて息子たちと夢中になって観た大河ドラマ「真田丸」で、平岳大演じる勝頼公が温水洋一演じる小山田信茂に裏切られ、武田家滅亡の無念をにじませるシーンが強く印象に残ってもいた。


私のほかに手を合わせる人の姿はなく、独り境内をわたる風をききながら、勝頼公やともに自害した子、夫人、家臣らの冥福を祈る。


景徳院をあとにしてバス停に戻ると、初乗車となる栄和交通の路線バスがやってきた。

(つづく)