【186】からのつづき
訓練運転の合間に青森へ立ち寄ったと思われるクルーズトレイン「四季島」の編成全体をホームから眺めた後、跨線橋に上がり改札に向かう。
店内は観光客で賑わっており、14時半というのに「のっけ丼」のチケット売り場には列ができている。
12枚で2000円のチケットと生ビール(500円)を購入して、まずはご飯コーナーで発泡スチロール容器に盛られた白米を受け取る。
あとは30の店舗に並ぶのっけ丼用の食材の中から、客が好きな組み合わせでオリジナルの丼を仕上げるという流れで、同様の名物は札幌や函館の市場にもある。
混み合うセンター内をうろうろするのも疲れるので、近くの店でソイとヒラメ、ウニをのっけてもらい、さて次は、と考えていると裏から出てきたおかみさんが「はいボタンエビ出たよ」と大振りのエビを並べはじめたので、反射的に丼を差し出すと、「卵焼きも食べてって」と有無を言わせぬ感じで箸を伸ばしてくる。
観光客相手の慣れた手捌きに呆気にとられつつ、エビと卵焼きの分のチケットを渡し、最後に醤油代わりの松前漬けを加えてマイのっけ丼完成。
テーブル席も混んでおり、男性客に挟まれた狭いスペースで、白身をつまんでからビールを呷る。
青森では2時間の間に昼メシ、散策、八甲田丸見学と考えていたところ、津軽新城駅の途中下車を挟んだことにより滞在時間が約30分短くなったので、味わうというよりかき込むようにのっけ丼とビールを腹に収めて魚菜センターをあとにした。
(つづく)