過日、名古屋で一杯。
訪れたのは、名古屋駅(名駅)から地下鉄東山線にひと駅乗った伏見。
近くに勤める吞み仲間を待つまでの時間調整を兼ねて「大甚中店」に入る。
名古屋の代名詞的大衆居酒屋である「大甚」は、近くの本店には何度も足を運んだことがあり、5年前にオープンした錦店でも2度呑ったことがあるものの、中店を訪れたことはなかった。
(以前本店について書いたページはこちら。後半に出てきます)
暖簾の前に立つと自動ドアが開き、広々した店内に入ると常連の男性と話していた店主らしき男性が、「あちらからお好きなものをお取りいただくセルフサービス方式になっております」と説明して下さる。
本店・錦店と同じ方式だなぁ、と思いながら男性に「今日の刺身は何です?」と尋ねると、「マグロです」とのことだったので、「じゃあ、それと熱燗徳利でお願いします」と伝えて、セルフコーナーに向かう。
閉店時間が近いせいか常温棚は10皿を切っており少し寂しいが、酒は徳利1本だけと決めているのでこれで十分。
冷蔵ケースからだし巻き玉子を取り出して席に戻り、熱燗とマグロの到着を待つ。
程なく賀茂鶴樽酒で満たされた背高徳利とマグロぶつが運ばれ、猪口に注いだ熱燗を啜ると心から落ち着く。
吞み仲間からは、まだ会社を出たとの連絡が来ないので、セルフコーナーにひと皿だけ残っていたカレイの煮付けを温めてもらう。
ビル然とした外観の印象とは異なる大衆酒場の雰囲気溢れる店内を眺めつつ、濃いめに味付けられたカレイをつつきながら熱燗を舐めると、心と体が程よく温まりお会計。
コートの前を閉めて温もりを閉じ込めて店外に出ると、伏見の街に雨粒が落ちてきた。
