【119】大谷石文化 | 酔いどれパパのブログ

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【118】からのつづき


宇都宮駅西口を出た1994年製のLV870はV8エンジンのサウンドを響かせながら、栃木県道1号~10号と駅前から西に伸びる通りを進み、宇都宮二荒山神社を右手に見てから勾配を上がる。


8PE-1の奏でるエンジンサウンドは、1995年に行われたキュービックのモデルチェンジ以降に大量生産されるLV380/280系と変わらないが、ミッションのACT(電気信号と空気圧で変速操作をアシストする機構)はモデルチェンジ前のLV324/224系のものと同じ仕様なので、エンジン音との組み合わせに違和感がある。


車内は、前~後輪間は窓を背にしたロングシートが並び、後タイヤ上には対面シートが設置される独特の仕様。

低床化の黎明期にはよく見られた対面シートで、2000年代後半以降に製造された車両では採用されることがほぼなくなったが、今年市販モデルがリリースされたいすゞ自動車「エルガEV」では、後輪以降のスペースは対面シートが標準配置となっている。


LV870の乗り心地を味わった後は、東武宇都宮駅周辺をぶらぶら。

宇都宮に来ると眺めたくなるカトリック松が峰教会は、国内に残る最大の大谷石建造物で国の重要文化財に指定されている。

「本格的なロマネスク様式を持つ教会の設計者は、函館のトラピスチヌ修道院を設計したスイス人建築家 Mx.ヒンデルである」などの記載のある看板を読んでから、続いて斜向かいにあるこちらを正面から眺める。
1938年に公設質屋として建てられ、現在はまちなか活性化事業に基づきレストラン「ダイニング蔵おしゃらく」として運営されている建物で、やはり大谷石が用いられている。

このように大谷石を活かした建物や日本最古の磨崖仏とされる大谷観音などが人々の生活の身近にある宇都宮周辺エリアは、「大谷石文化」として日本遺産に認定されている。
もう一度教会を見上げてから、アーケード商店街を歩いて宇都宮駅に戻るべくのんびり歩いていると、こうした表示が。
宇都宮市街地を流れる釜川を日本初の2層式河川に改修した際に整備されたリバーサイドの遊歩道で、何度も宇都宮を訪れていながら、今まで歩いたことはなかった。

並行するアーケード商店街「オリオン通り」の賑わいとは対照的に、ゆったりした空気の流れる遊歩道を歩いていると、気持ちが落ち着いてくる。

平らかな心持ちになってからオリオン通りを横切って、二荒山神社の前で立ち止まり心の中で拝礼。近くの停留所にやってきた関東自動車自社発注のV8キュービックで宇都宮駅まで運ばれた。
おわり