【89】二子玉川で一杯 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

過日、二子玉川で一杯。


普段あまり縁のないニコタマに出向いたのは、時折イベントにお誘いいただくラジオDJ・文筆家のJさんによる、映画「時をかける少女」のトークイベントにお招きいただいたから。


迷走台風の行方と、その影響による交通機関混乱の可能性に心惑わせながら乗り込んだ横浜線から、長津田で田園都市線に乗り換えて二子玉川を目指す。


イベントは14時スタートなので、開始前に食事を済ませたいが、土曜日の13時はランチのピーク時なので、家族連れなどのグループ客が多そうな二子玉川で店を探すよりも、何度か昼飯を喰ったことのある溝の口の方が良かろうと考え途中下車。


改札を出てすぐの立ち食い寿司屋は満員で、並びの焼き肉ライクにも列ができている。少し歩いてJRの武蔵溝の口周辺の飲食店を覗いてみるものの、いずれも入店待ちの客であふれている。


仕方ないので、改札内の立ち食いそばで済ませようと東急の溝の口駅に戻ると、焼き肉ライクの入店待ちが2人に減っており列に就くとすぐに席に案内される。


朝に野菜ジュースを飲んだだけなので、焼き肉より寿司のほうが空腹の体には優しい気がするが、寿司を喰ったら日本酒を呑みたくなるし、呑んでイベント中にトイレに立つのは気がひけるので、焼き肉と白飯でひとまず腹を満たしてからプロントで食後のコーヒーを済ませ、東急線で二子玉川へ。

駅から5分ほどの玉川高島屋S・C東館3階のLOOPというスペースに向かうと、Jさんが笑顔で迎えてくれる。

Jさんがプレゼンターを務めるイベントは各地で開催されているが、二子玉川では「名作映画探検隊!」と銘打って定例化されているようで、毎回参加されているらしき熱心な聴講生が真剣にメモを取りながらJさんの話に頷いている。
イベントというよりカルチャースクールの雰囲気で、酒を呑んでこなくてよかったと思いながら、Jさんのトークに引き込まれる。

角川映画の歴史をベースに、角川春樹や大林宣彦、原田知世らにまつわるこぼれ話や作品ごとの裏話などを巧みに織り込みながら、知られざる映画制作の世界を参加者の脳内と心に投影する話術はお見事。

キー局系制作会社ご出身のJさんは、生前の大林宣彦監督ともお会いになった経験を持ち、監督の娘さんとも対談イベントなどを行われていて、中学時代から積み重ねてこられた映画への情熱と知識の厚さに、幅広い親交で得られた知見が加わって、軽妙な中に奥行きと深みを感じさせるストーリーテリングに時間を忘れる。

今回は、聞き手語り手双方の負担軽減を勘案してか、「時をかける少女」関連のクイズやレコードプレイの時間も用意されており、あっという間に予定の90分が経過した。

トークを進めながらスクリーンの画像変更やクイズの効果音、レコードのチェンジなどをほぼワンオペでこなされた上で、予定時間キッカリにお開きとなったのは、さすがラジオDJ。

私が普段取材している政府の検討会などで、オレがオレがと時間も構成も気にせずにつまらない持論を展開する御用学者たちにJさんの爪の垢を煎じて飲ませたい。

こうして下らぬ文章をダラダラ書いている私も煎じ薬ならぬ般若湯(酒のことです)をJさんといただくべく、会場をあとに渋谷でのイベントでお会いしたことのあるお2人と2次会の会場探しに街をウロつく。

16時前とあって開店していない飲食店も多かったが、安定のチェーン居酒屋がやっていたので入店し、先着3人で杯を傾けながらJさんを待つ。

30分ほどするとJさんがお越しになり、改めて乾杯。


先ほどのトークイベントよりさらにディープな映画と音楽の話を聞きながら呑む酒はうまかった。