新年度に入って、ひと月近くが過ぎ、もうすぐゴールデンウィーク。
4月は歓迎会や花見で酒を呑む機会が増えるのがコロナ前の恒例だったが、1度中止になった懇親会の類はコロナが明けた今でも復活しないままのものがまだ半数ほど残っている印象。
そんな中、4月に入ってから呑んだ酒の一部を忘れぬうちに記しておこうと思う。
2024年度最初に呑んだ日本酒は、鳥取県は梅津酒造さんの「冨玲(ふれい)自然流 梅津の生もと 笊(ざる)」。
鳥取県産米で醸したにごり酒で、発酵中の醪(もろみ)を笊に入れて、滴り落ちたものを瓶詰めした一品。
冷やでひと口試飲した後、燗をつけてもらうと濃厚そのもので、苦みが強く感じられる。
こりゃスゴいなぁ、と裏ラベルに目を通すと、三、四割程度加水して燗にするもよし、との説明書きがあるので、2杯目はその通りの加水燗にしてもらう。
燗好きのこんなわがままに応えてくれるようになるまでは、店との信頼関係を築くことが重要だが、こちらのお店(同じようなわがままオーダーが続くとオペレーションに影響が出かねないので、店名は伏せます)では私が何か頼むと「燗もやってみますか?」と心得ていてくれているのが嬉しい。
この日は、入学式を終えてオリエンテーションを受けている息子を待つ間に祝杯を2~3杯楽しむつもりだったが、入店して30分もすると予定より早く終わったとラインが来たので、笊の加水燗を味わったところでお会計。
店員さんと常連さんに祝いの言葉をいただき恐縮しながら店をあとに、ほろ酔い加減で待ち合わせ場所に向かった。