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渋川駅からほど近い「地酒屋 ぽん」さんに到着したのは15時ちょうど。帰りの足は16時ジャスト発の高速バスと16時26分発の上野行き特急を予約して2段構えにしているが、いずれにしても1時間前後しか在店できない。
昨年の冬は仙台からお越しの先輩とともに、こちらのお店で土田酒造の社長さんのレクチャーを受けながら参加者が持ち寄った全国の純米酒を楽しみ、翌日には法師温泉「長寿館」に入った後に土田酒造を初訪問した。
その時に比べると相当に慌ただしいけれど、今年はまだ訪れることができていなかったので短時間滞在でも嬉しい。
ちなみに前回の模様はこちら。
ご無沙汰しちゃってスミマセン、とか何とか言いながら、店主ご夫婦と半年前に高崎で一杯傾けた夜のしっとりした空気を思い出す。
さっそく、奥さまお手製おつまみプレートを肴にこれらの日本酒を楽しむ。
予約時に「キャンセルは発車時刻まで」との案内を見た覚えがあるものの、草津温泉で一杯やった後なので今ひとつ覚束ない。そういえば以前、会津若松発新宿行き高速バスでは発車2時間前のキャンセル期限ギリギリに操作した記憶があるので、同じようなルールなのかも知れない。
行きの草津温泉行きといい、己のネット予約リテラシーの低さが情けない。
キャンセルできない以上、決済した金額をあきらめるか、今から乗り場に駆けつけるかの二択しかない。
後者を選び、慌てて会計を済ませ乗り場に向かうと発車2分前となっており、すでに四万温泉から来た八王子行きが発車を待っている。
スマホ画面を見せて指定の座席に収まると、すぐにドアが閉まり65分の短い滞在となった渋川を後にする。車内で特急の予約をキャンセルしてから、退店が慌ただしくなった非礼を詫びるメールをぽん店主に送る。
車内は20人近く乗車しており、高崎駅からも10人ほど乗ってきて、これまでこの路線を利用した8回の中で1番の繁盛ぶり。幸い隣の席に客は来ず、程よく酔いを帯びた体を1段深くシートに沈めると、あっという間に眠りに落ちた。
(おわり)