吉祥寺~草津温泉線初乗車 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

(前ページからのつづき)


吉祥寺駅をあとにした草津温泉バスターミナル行きは、井の頭通り~環八~笹目通りを順調に進み、練馬インターチェンジから関越自動車道を下る。


車内は1列目が4人、3列目進行方向右側に1人、5列目左側に2人、そして私が7列目右側と、最前列以外は1列空けて左右交互に割り振られ、ゆったり過ごすことができるよう配慮されている。

車内は横4列シートが11列並び後部左側にはトイレを装備、充電用のUSB端子も各席に備える今どきの高速バス標準仕様。車内Wi-Fiも利用できるほか、夜行バス「新宿・豊橋エクスプレス ほの国号」などにも使用されるようで、隣席との間に引くことができるカーテンも用意されている。
関越自動車道も順調に流れており、吉祥寺駅を出てから1時間20分で休憩場所の上里サービスエリアに到着。
関東バスの高速路線車両については全くの無知で、吉祥寺駅にこのクルマが現れた時には年式の見当も付かなかったが、上里サービスエリアに着くまでに2010年10月初度登録であることが判明したのは、座席前に備えられたこちらのおかげ。
車内設備や高速バス各路線の運行概要のほか、当該車両についての案内があるのは珍しくもありがたい。
トイレを済ませ自席に戻ると、9月に秩父鉄道ふかや花園駅前に建つバス停で存在を知った「Dts line 八ッ場・草津温泉号」(車体表記は大文字ですが、運行会社のホームページではDのみ大文字でした)の草津温泉行きが少し離れた場所に停まっている。
恐らくバスターミナル東京八重洲を7時10分に出発し、池袋サンシャインバスターミナルに寄って関越自動車道を下ってきた301便で、草津温泉バスターミナル到着はこちらより15分早い。

あちらは池袋サンシャインを7時50分に出ているので、吉祥寺駅を7時40分発のこちらと同じようなタイミングで関越自動車道に乗ったものとみられる。いずれ乗車してみたいが、12列仕様トイレなし車両で3時間半はちょっとキツそう。


関東バスの草津温泉行きでは9時15分までに車内に戻るよう案内されており、その時間には乗客全員が席に収まってドアクローズとなったものの、10分ほど待機してから発車。これは、営業所を出てから客を乗せて目的地に向かい、客を降ろして折り返しの待機場所までを含めた運転時間が4時間を超えることによる運行管理上の措置で、厚生労働省が告示している「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)で、運転時間4時間ごとに30分以上の運転中断が定められている。


ちなみに、最近よくトラックやバスのドライバー不足をはじめとする自動車運送分野の「2024年問題」という言葉を耳にするが、これは少子高齢化による労働力人口の減少やコロナによる他業種への人材流出に加えて、新たな改善基準告示が2024年4月に施行され、拘束時間短縮や休息時間拡大などによりドライバー1人当たりの稼働率が落ちることも大きな要因となっている。


本線に戻り、上毛の山々を眺めながら関越自動車道を進み、渋川インターチェンジで一般道に降りる。

渋川駅で5列目に座っていた夫婦らしき2人が降り、残りの6人を乗せて草津温泉を目指す。

何度か利用している八王子~四万温泉間の高速バスでは、渋川駅から伊香保温泉に寄ったのちに中之条駅~四万温泉と進むのに対して、吉祥寺駅からの草津温泉行きは、そのまま吾妻川左岸に沿って国道353号を辿る。

2年前に対岸を走る吾妻線で仙台からお越しの先輩と八ッ場ダムに行った時も師走とは思えない暖かさだったなぁ、などと思い出に浸っていると、鉄橋で吾妻川を跨いだ線路が道路脇に寄り沿う。
小野上温泉を過ぎ、下車客のない中之条駅前を予定より15分早く通過すると、国道353号から145号に入って右手に敷かれた吾妻線の奥にそびえる岩櫃山を眺めながら進む。
吾妻川に沿って走るようになってからは、路面状態が良くないのか後部トイレのあたりから時折モノがぶつかるような騒音が聞こえていたが、おとなしくなったと思ったところで長いトンネルに入り、4分ほどで抜けると左手に八ッ場ダムが現れて、丸岩大橋を渡ると右の車窓に湖面の蒼が映る。
2年前に八ッ場ダムのほとりを歩いた後に入った川原湯温泉「王湯」の熱さを思い出していると、バスは長野原草津口駅を右下に見ながら上り坂を進んで、国道292号に入るとさらに勾配がきつくなり登坂車線で一般車に追い抜かれながら、草津温泉を目指す。

吉祥寺駅から3時間35分、予定より5分早い11時15分に草津温泉バスターミナル到着。
快適に草津温泉まで運んでくれた2010年式のベテランバスは、ターミナルのスペースに余裕がないためか、ドライバーさんが車内点検を行うと、すぐにバックして折り返し場所に向かって走り出す。

バスを見送り、観光客で賑わうターミナルの人波をかき分けながら階下の観光案内所でマップをもらい、湯畑につづく坂道を下った。
(つづく)