神奈中11系統 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

(前ページからのつづき)

天空橋駅から乗った大師橋駅行き「大109」系統は、天空橋駅~浮島バスターミナル間を結ぶ「天空01」系統とともに、川崎鶴見臨港バスの数少ない都内乗り入れ路線として、昨年3月12日の多摩川スカイブリッジ開業20日後に運行を開始した。

天空橋駅20時ちょうど発の大師橋駅行き最終バスは、私のほかに女性客が1人乗っているだけで、暗くなった羽田の空のもとスカイブリッジを渡って東京都大田区から神奈川県川崎市に入る。


スカイブリッジを通る路線に乗りたいと思いながら、開設から1年以上を経て夜に初乗りと相成ったのはバス好きとしては面目ないが、いつか天気のいい日の昼間にでも歩いて渡りながら周辺の風景を改めてゆっくり観察したい。


神奈川県内では、川崎鶴見臨港バスや横浜市交通局など市街地・港湾地区の足を支える事業者のほか、神奈川中央交通グループのバスが内陸部を含む県内広域で存在感を誇っており、一応東京都であるはずのわが故郷八王子市内でも黄色いボディにオレンジと赤のラインを巻いた三菱ふそう車を子供の頃から目にしてきた。

平成期には、白いボディに動物のラッピングを施した「カナちゃん号」や、ブルーのボディにイエローのアクセントを添えた貸切兼用車・ノンステップバスなどが各営業所に配置された時期があったほか、現在でも地域や路線オリジナルのカラーも存在する。


下の写真のクルマはそのうちのひとつ、桜木町駅~保土ヶ谷駅を結ぶ11系統通称「山手ライナー」専用車。

その名の通り、横浜市の山手地区を走る路線で、2007年に横浜市交通局の11系統(平楽線)を引き継いだ際に、ヨコハマの街並みにも溶け込む濃淡のコーヒーカラーをまとった専用車が揃えられ、バス停のデザインも一新された。

11系統は、今でも神奈中への移管時に配置されたこの専用車両のみで運行されており、オートマチック車が幅を効かせるようになってきた昨今のバスの世界にあって、100パーセントマニュアル車両に乗ることができる貴重な路線。

専用車による運行は、ブランディング上の理由や生活維持路線としての補助金の関係なども絡んでいるのかも知れないが、おそらく主たる要因はこちらではないかと推察。
山手地区から打越橋を渡った唐沢地区の数カ所に設置されている「バス専用表示灯」。

丘の上の限られた平地に造成された住宅地の狭隘な道路を進む11系統のバスが「お見合い」状態にならないよう、カーブの先の対向バスの有無を知らせるもので、バス側には専用センサーが搭載されているものと思われる。

正解ならこのシステムのおかげで今でも横浜市内屈指の狭隘・急坂路線をマニュアル車両で楽しむことができる訳だが、山手ライナー専用車は全車製造から15年以上が経っており、ぼちぼち置き換えの時期が近づいている。

今と同じ独自カラーの専用車に更新されるのか、はたまた先日発表された神奈中のニューカラーが採用されるのか。
バス専用表示灯の稼働動向を含め、今後も神奈中11系統「山手ライナー」から目が離せない。

(おまけ)
11系統の始発、桜木町駅にある立ち食いそば「川村屋」が9月1日に復活。123年で止まっていた歴史の針が5ヶ月ぶりに回りはじめた。

過日、11系統乗車前に久々に訪れたら、すでに名物の「とり肉そば」は売り切れており、代わりにいただいた「いか天そば」を啜りながら再開を祝った。

おわり