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秋芳洞からのバスで新山口駅に到着し、改札を抜けてJRのホームに降りると、昔懐かしいタラコ色のディーゼルカーが2両編成で発車を待っている。

(写真は翌日、別のホームで撮影)
山口線の山口行きで、車内は18時過ぎとあって学生やサラリーマンなどで混雑しているが、クロスシートにはところどころ空席があったので、初老の男性が腰掛けていたボックスに相席させてもらうと、程なく発車。
新山口駅から山口市の中心である山口駅までは直線距離で10キロほど離れており、山口線のディーゼルカーは途中6駅に停まりながら25分かけて結ぶ。
新山口は現在の駅名になって20年が経つが、かつての「小郡」のほうが昭和世代にはしっくりくる。
列車は新山口をあとに、左カーブを切りながら右手に転車台の残る車両基地を眺めて進むと、すぐに周防下郷に到着。ここからもジャージ姿の学生や仕事帰りらしき客が乗ってきて混雑が増すものの、相席を避けたいのかボックスには空席が残る。
線路は、国道9号とともに右手を流れる椹野川(ふしのがわ)に沿うように敷かれており、列車は流れ込む支流を跨ぎながら北に進む。
次の上郷までの間には支流の一つである「四十八瀬川」を渡り、神奈川県秦野市に同名の河川が流れていることを思い出す。
その後もほぼ椹野川に沿って北東に進み、日の落ちかけた山口に到着。

足早に階段を登り改札を抜けてゆく他の乗客を横目に、久々に乗ったキハ47の車内をじっくり眺める。

(つづく)