川口川と櫻橋 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

(前ページからのつづき)

中城通りを国道125号(亀城通り)と交わる中央一丁目交差点まで戻ると、先ほど一杯やった保立食堂の敷地の脇に「櫻橋」の石柱がある。

亀城通りはかつて、霞ヶ浦と土浦の城下町を水運で結ぶ川口川という流れだったそうで、石柱は旧水戸街道が川口川をまたぐ櫻橋がこの地にあったことを伝えている。

河川の暗渠化・埋め立て後にも橋の親柱やモニュメントを残す例は都内でもあちこちに見られるが、こちらのものは適度に風化し、二文字の旧字体と相まって風情がある。

石柱をひとさすりしてから駅方向に進むと、桜橋バス停のポールが3本並んで建っている。
姿を消しても停留所名として残る橋の名は、人々の暮らしと記憶に寄り添いながら生きている。

市内を桜川が貫き、中心市街地の歓楽街は桜町、常磐道のインターチェンジ名は桜土浦で、今日最初に乗ったバスの行き先も桜ニュータウン行きだったことなどを思い返すと、土浦は桜と縁深い土地だと感じずにはいられない。

そんなことを考えながら、さらに駅方向に進むと、孤を描きながら頭上に高架道が覆い被さってくる。
つくば万博開催を機に昭和60年に開通した土浦ニューウェイの高架で、全長約3キロの区間内には路線バスの停留所も3カ所設けられている。

かつて、つくばセンターから「高架道経由土浦駅東口」行きの路線バスでニューウェイを通った記憶があるが、途中バス停で乗降したことはないので、今回は高架道上の停留所に立ち寄ってみたいと思っていた。
階段を上がると、「川口町」の丸板を掲げたバス停のポールがあり、時刻表を見ると、路線バスと高速バスが朝に各1本ずつ運行されるのみ。

いいタイミングの便があれば乗ろうかと考えていた自分の浅はかさに独り恥じ入りながら階段を降りつつ、ニューウェイ上のバス停を訪れることができて満足。

階段を中ほどまで降りるとニューウェイに並んで建つザ・モール505なる3階建てビルとの連絡通路があったので渡ってみる。
ニューウェイと同時期に整備されたザ・モール505は川口川の流れていた場所に緩やかな孤を描いて建っており、全長は名称にもなっている505メートル。かつては賑わったようだが、祝日のせいもあってか虫喰い状に入居している店舗や事務所に人の気配はない。

土浦市内をのんびり歩いているうちにいい時間となり、バス停ラリー最後の1カ所を目指すべく駅前の集合場所に急いだ。
(つづく)