(前ページからのつづき)
台ヶ原中から30分ほど満席のバスに揺られ、韮崎駅の2つ手前の「穴観音」バス停で下車。
韮崎の観音さまというと、韮崎駅ホーム脇の七里岩南端に立つ平和観音がよく知られるが、同じ七里岩の中腹には弘法大師が安置したとされる「窟観音(あなかんのん)」がいらっしゃり、古くから「穴観音」として地元の人の信仰を集めている。
雲岸寺さんの境内に入り、階段を昇って窟観音にお参りしてから岩窟をくぐり、平和観音に続く上り坂に抜ける。
平和観音の立つ七里岩は、八ヶ岳の山体崩壊によって起きた岩屑流れが形成した舌状台地で、両側が2つの川で浸食されニラの葉に似た形になっていることから台地の先端にある場所が「韮崎」と名付けられたとされる。
穴観音から約10分で平和観音の正面に立つ。お参りして少し離れた場所から見上げると、右手には茅ヶ岳が見えており、左手に釜無川の流れを見下ろす。
ちなみに韮崎駅のホームからは真贋両八ヶ岳を眺めることができ、反対側には七里岩南端に立つ平和観音、その手前に「アメリカヤ」の看板を掲げたの味わいあるビルが建っており、中央本線で通るたびに降りてみたいと思っていた。

気になっていたアメリカヤのビルは外観は昔のままだが、2018年に9つのテナントとコミュニティスペースからなる複合施設として生まれ変わったとのことで、階段脇に掲げられた案内板には若者向けと思われる店舗名が並ぶ。

道の向かいには小路があって、その入り口には「アメリカヤ横丁」の看板があり、アメリカヤをアイコンに街の活性化を狙っていることがうかがえる。

遠ざかる平和観音を見ながら、今度は増富温泉を目指して韮崎を訪れようと心に決めた。