このところ少し多めの名古屋ネタをバス絡みでもうひとつ。
過日、栄に近い大津通バス停から名古屋市交通局の基幹バス2号系統四軒家行きに乗車。

基幹バスと言っても名古屋以外では通じそうにないが、東京で言えば東京都交通局がかつて謳っていた「都市新バス」(現・「都01~08」系統)のような頻発路線の車両・施設・サービスのグレードアップ施策に近いが、基幹2号系統が大きく異なるのは路線区間のうち約9キロで道路中央にバスレーン(中央走行区間)が設けられており、バス停も横断歩道を介してアクセスするという地方の路面電車方式。

道の広い名古屋ならではの手法だが、ガイドウェイバス「ゆとりーとライン」と並んで名古屋には他の都市には見られないバスが走っていて楽しい。
乗り込んだ市営バスは基幹バスカラーをまとっているが、車内は素人目には他の路線車両と変わりない。これは旧都市新バス系統も同じで、かつてはハイグレード装備だったエアサス、下部固定窓、車内情報装置などが一般路線車両でも標準仕様となったことで、車両面での違いを見出しにくくなっている。

バスは、右手に戦前竣工の愛知県庁と名古屋市役所を見たのち、大津通りから右折して愛知県道215号出来町通りを進む
出来町通りは基幹2号系統のメインルートで、市役所交差点から引山までの8キロ以上にわたって中央走行区間のバスレーンが整備され、市バスのほか名鉄バスの基幹系統がこの区間を介して名古屋駅の名鉄バスセンターから瀬戸や尾張旭、長久手などを結んでいる。
中央走行区間は、平日朝夕はバス専用レーンだが、それ以外は優先レーンとなり一般車両の通行も見られる。

ただしバス停が近づいたらバスレーンから出る必要があるため、このような看板が出ているが、運転しながらこの内容を瞬時に理解するのはヨソ者には難しそう。

ちなみに交差点では、右折車線の右側に直進するバスレーンがあるため、右折時には矢印信号や右後方からの車両接近の有無などをしっかり確認する必要があるが、これは地方の路面電車が走る交差点にも共通する要注意ポイントである。
バスは停留所ごとに5人程度を入れ替えながら、座席を半分ほど埋めて出来町通りを進む。白壁地区を抜け赤塚交差点を過ぎると、回りに徳川を冠した建物や店舗が増えてきて、尾張徳川家の名残が感じられる。
進行方向左側のブロックの町名はズバリ「徳川町」。地名に誘われるように降車ボタンを押し、徳川園新出来バス停で下車。もしかしたら添乗員時代に訪れたことがあるかも知れないと思いながら、徳川町内の住宅地を歩いて徳川園を目指した。