またまたタマブラ | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

またまたタマブラ。


JR国立駅南口から国立折返場行きの立川バスに乗り込み、くにたち郷土文化館バス停で下車。5分ほど歩き住宅地を抜けて、くにたち郷土文化館に到着。

ここは、多摩川によって作られた河岸段丘のうち、立川段丘面や武蔵野段丘面に比べ相当に小さい面積でこのあたりに張り出している青柳段丘面の縁に建っており、すぐ脇は青柳崖線と呼ばれる段丘崖。

館内では、多摩川流域で「ハケ」「ママ」と呼ばれることも多い段丘崖周辺での古からの人々の暮らしや文化について、模型や文献などを通じて理解できるよう展示されており、関連する資料の販売も行っている。

常設展示をひと通り眺めた後、資料・研究室にいた職員の方に、段丘面の構成が理解しやすい資料はないかを尋ねると、「ハケの文献ですね」とおっしゃりながらいくつかの冊子を示して下さり、いずれもエントランス脇のコーナーで販売していますとのこと。

階段を上がって教えられた場所に向かい、かつて開かれた企画展で販売された「ハケ展 くにたちの河岸段丘」なる冊子を買い求める。

欲しかった内容の資料が手に入り、満足して郷土文化館をあとに、青柳段丘面から多摩川の沖積低地に降りる。

段丘の境目である段丘崖の下部の、いわゆる「ハケ下」「ママ下 」に沿って湧水が流れており、細いながら遊歩道が続いている。
多摩川の流れの変遷によって広域に生み出された各地のハケ下ママ下には遊歩道や親水公園として整備されている区間も少なくない。

段丘に吸い込まれた雨水が砂礫層などを通って浸みだしてくるハケ下は、安定的に澄んだ水を確保できることから、人々が早くから暮らしの場に選んできたのだということを歩きながら再認識。

生き物好きのわが次男も小学生の頃、多摩川の支流の浅川によって作られたハケ下の親水公園で多くを学ばせてもらった。

梅雨の晴れ間の爽やかな暑さの中、そんなことを思い出しながらしばらく歩くと右手に古民家が現れたので、立ち寄ってみる。
江戸時代後期に建築された農家を移築して展示しているもので、内部に立ち入ることもでき、縁側では休憩中らしい警備員さんがひと息ついている。

ママ下遊歩道に戻り、しばらく歩くと段丘側に緑豊かな森が現れ、その中に坂道が続いている。
谷保の城山歴史景観保護地域となっている森で、案内板には、このあたりは昔から「三田氏館」「三田城」と呼ばれ、中世の豪族三田氏との関連が推察されてきたが、鎌倉御家人津戸三郎為守が城主だとする史料も存在すると書いてあり、今ひとつ要領を得ない感じもあるが、歴史は確定していないところにロマンがある。

森林浴を楽しみながら坂道を登り降りして再びハケ下に戻ってから、今度は多摩川に向けて低地を南西に進む。

ヤクルト中央研究所の円筒形の建物を間近に見て中央道をくぐり、セメント工場や物流施設、団地などの間を30分ほど迷い歩き、多摩川に出る。

すぐ脇にスーパー銭湯があり、その前には立川バスの国立折返場バス停のポールが建っている。
ひと風呂浴びてから一杯やって、のんびりバスで国立駅に戻ろうかと考えたが、積乱雲が接近しているようなので、すぐにバスに乗り込むと、国立駅到着とほぼ同時に大雨が。

バスを降りた目の前にあった地下のサイゼリアに入って雷雨をやり過ごしながらビールを味わい、今回のタマブラを終了した。