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宮脇駅から10分ほど歩き、筑波山神社入口バス停に到着。
間もなく、つつじが丘からつくば駅行きのバスが下ってくるが、混雑具合の予想がつかない。行きに筑波山神社入口で降り、今来たルートを逆に辿って、始発のつつじが丘からバスに乗ればそうした懸念は抱かずに済んだはずだが、今さら遅い。
そんな不安をよそに定刻通りにやってきたのは、午前につくば駅から乗ったのと同じ車両、ドライバーさんで車内は当然座席の少ないラッシュ型。座ることは叶わないだろうと諦めかけたが車内に入るとガラガラ。
筑波山神社入口からの乗客向けに空のクルマを1台配車しているのかも知れないが、拍子抜けしつつ、またもやラッシュ型で立ち客を出さないナイスな操車ぶりに感服。
バスは山を下り、麓の沼田に着くと、男性が1人乗ってくるが、酒瓶らしきものを手にしている。
沼田停留所の近くには、「男女川(みなのがわ)」や「すてら」などの日本酒を醸す稲葉酒造さんがあり、男性はそこからの帰りだろう。
筑波山に因む日本酒といえば、下妻は浦里酒造店さんの「霧筑波」が有名で何度かいただいたことがあるが、稲葉酒造さんの酒は未体験。酒蔵に立ち寄ることも考えたが、酒瓶を携えて乗り込むバスの混雑具合が分からない状況で途中下車をする勇気がなかった。
恐らく酒蔵限定の「すてら」だろうなぁ、と男性の酒をうらやましく思いながら車窓を眺め、筑波山神社入口から40分ほどでつくば駅に到着。
すでに午後2時を過ぎているので、遅めの昼食を摂ろうと駅前のビルに入り3階に上がると、地場産品を応援する緑色の提灯を掲げた蕎麦屋があったので入店。案内された席に就くと、目の前には茨城の蔵の酒瓶が並んでいる。
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筑波山の湧き水で醸された神仙は、清らかたおやかで、革靴で山歩きをした愚行が許された気持ちになった。
(おわり)