地元で一杯 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

過日、門前仲町で一杯。

訪れたのは八幡さま近くのビル1階にある「沿露目(ぞろめ)」。



入り口に近いカウンター席に腰掛け、まずは生ビールで喉を潤し、お通しのナス煮浸しと砂肝ミョウガに箸を伸ばす。
砂肝はサクサクとしんなりの中間の食感で旨味とミョウガの風味がしっかり。ナスは吸った出汁で自らの風味も強調され、夏バテ気味の胃腸を優しく起こしてくれる。

さっそく酒が欲しくなり、岩手県は石鳥谷の酉与右衛門(よえもん、酉と与は1文字です)純米山田錦精米歩合70㌫23BYをぬる燗で頼み、コハダぬたを合わせる。

店内はカウンターのみで店員さんは蝶ネクタイ、落ち着いた内装とも相まってワインバーのような雰囲気だが、酒も肴も硬派そのもの。〆具合抜群のコハダもさることながら、添えられた蕎麦の実の香ばしさとウリの野趣に燗酒が進む。

嬉しくなって、七本槍熱燗と穴子煮凝り、カツオのヅケを追加。分厚く切られたカツオはヅケになったことで旨味の力強さが際立ち、これは低精米の酒にも合いそうだ、と思って居並ぶ一升瓶を眺めると、ありますあります千葉の「香取」精米歩合80㌫。これを燗にしてもらい、イワシ梅煮もお願いする。

若い女性は温度計を見ながら燗をつけてくれるが、マスターの料理の手元にも視線を注いでおり、気遣いに加え勉強熱心の方とお見受けする。

梅煮は、コハダ~穴子~カツオと食べ進めてきた江戸前酒肴のトリにふさわしく、濃いめの醤油で煮られたイワシの身をほぐして梅を添え、香取で流すと頭の中で「ワッショイ」の掛け声が聞こえてくる。

このあと、同店の経営者が営んでいるというバーでレモンサワーを呑んで、江戸前な夜を締めくくった。