藤沢で一杯 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

過日、藤沢で一杯。

海老名での仕事が夕方に終わり、相鉄横浜行きの車内で、さて今日はどこの風呂に入ろうかと思案&検索。
目星をつけていた銭湯はいずれも休業で、どうしたもんかと考えていると、次は大和との車内アナウンス。

そういえば以前、大和出身の同業者に、大和駅前に銭湯ありますよね、なんて言われたことを思い出し、反射的に下車。

ホームで調べると、今日は定休日ではないらしい。ひと風呂浴びる場所が決まったら、その後一杯やる店に予約入電一本の手間を惜しまねば、ゆっくり湯に浸かることができる。
さて、どこで一杯やろうか。大和は相鉄のほか、小田急江ノ島線も乗り入れている。
とすれば、藤沢に出て「久昇」あたりか。久昇といえば、名物板長さんの弟子の方々が、藤沢周辺にそれぞれ個性あるお店を出されているそうだ。そんな話を思い出し、急速に劣化が進む脳内データバンクからの呼び出しを試みる。

呼び出しが成功したデータの中から、「昇」に予約の電話を入れて、大和駅徒歩1分の「大和湯」へ。

小田急線のホームから見えるほどの近さで、未入湯なのが自分でも不思議なくらい。
古びたビルの中の浴室は、地元のおじさんたちで賑わっており、うまい居酒屋情報などゲットできそうな雰囲気だが、今日は「昇」に心を決めたので、大和居酒屋散策は日をあらためよう。

さっぱりして小田急線のホームに上がり、程なく入ってきた快速急行に乗り込めば、藤沢まではあっという間。

駅のコインロッカーにカバンとコートを放り込み、電線に無数に並ぶムクドリの「贈り物」の被害にあわぬよう、視線を頭上と足元に交互に配りながら、駅から徒歩5分ほどのビルの2階にある「昇」に着いた。



カウンター席に腰掛け、まずはサッポロラガー(いわゆる赤星)大瓶で、仕事の疲れと湯上がりの喉の渇きにおさらば。
お通しは、金時芋クリームチーズ、おひたし、鯛昆布〆の手鞠寿司の3品で、金時芋クリームチーズは「久昇」でもいただいた気がする。

喉の渇きが癒えて、お通しで小腹が落ち着くと、やはり熱燗が欲しくなる。
福正宗純米(530円)を熱燗1合と、アジ叩きを注文して、「いよいよ本番」と心につぶやき、意味もなく掌を合わせて2、3擦り。
カウンター席の背中では、私の父親世代の男女数人が同窓会のご様相。こんなお店で同窓会だとしたら、うらやましいなぁ、なんて思いつつ、地元八王子で開かれた前回の同窓会を思い出し苦笑…。でも、幹事を務めてくれた某氏の苦労には感謝せねば。

そんなことを思い出しながら、熱燗をすすり、アジ叩きを味わうと、藤沢やら茅ヶ崎が何となく身近に感じられてくる。
神奈川県の居酒屋では、アジやシコなどが定番だが、こちらのアジはなかなか。
青物(野菜じゃなくて光り物の方です)に期待が持てたので、〆サバと、地元神奈川の丹沢山「秀峰」純米(650円)を熱燗で。

どこかノーベル賞の山中教授を思わせる精悍なマスターの修行僧のような風情と視線を見上げながら熱燗を舐めていると、マスターが真剣に包丁を捌きながらも店の隅々まで気を配っていることが分かってきて、これはこちらも真剣に呑まなきゃ、なんて訳分からない覚悟が決まってくる。

そうは言っても、藤沢から家に無事たどり着く必要があるので、〆に蠣味噌小鍋と丹沢山の「隆」無濾過生原酒(1000円)を頼み、腹と肝臓を程よく満たしてお会計。
アジも〆サバも2016年(暫定)ナンバーワン。

今度は、地元E電鉄に勤める先輩酒呑みをお連れして、ゆっくり熱燗を楽しみたい。