2.夏草や兵どもが夢の跡……親父と一緒に働いた場所 | 正風ぐぁんちゃんの「カラオケ・詩吟三昧!よかよか人生」

正風ぐぁんちゃんの「カラオケ・詩吟三昧!よかよか人生」

歌を歌うのが大好きで、ついには大会へ出るようになって10有余年
まだまだ、歌いたりないので、当分ご迷惑をお掛けします。
詩吟も習い始めました。生涯教育!!ボケ防止で頑張ります。
長崎で「新波印刷」を経営してます。

大学病院へ行ったら、即入院ということで、お袋が呼ばれました。
お袋が病院から帰ってきたら、直ぐに、鍋を洗面所で洗い始めました。
多分…、涙を俺に見せたくなかったのだろう。

入院して、いよいよ、抗癌剤と放射線治療が始まった。
見舞いに行くと、治療の日はぐったりとして鋭気が全く感じられない
しかし、辛いだとか、嫌だとか、まったく言わず、笑顔で接してくれた

普通だと、副作用で髪の毛が抜けるのだが、幸か不幸か、もともと、髪が無かったので、まったく違和感なく対面することができたし、本人も毛が抜けるというショックを受けることなく、家族としてもほっとしていた。

抗癌剤と放射線が功を奏して、入院3ヶ月が軽く過ぎ、ひょっとしたらと思うようになった。
その頃から相部屋での人間関係も、ねっからの営業マン精神を発揮し、同部屋の人から注文を頂くことに成功した

体調も良く、歩き回ることも出来るようになっていた。

$カラオケ三昧!よかよか人生
(我が家族全員が揃った最後の写真・妹がシャッターを切っている)

そして6ヶ月が経とうとした時、残酷なことを言われた。
退院をしてくれとのことだった。

全然完治どころか、進行していると思われるのに、退院せよとのことだった。
保険点数が6ヶ月までと6ヶ月以上とでは違うらしかったが…

しぶしぶ退院せざるを得なかった。

車で自宅へ帰る途中、親父は…
「大学病院へ紹介状を書かれるということは、相当悪い状況の時だ。俺の病気は癌だろう?分かってるんだ。教えてくれ」って聞かれた。
俺は「違うよ。ちゃんと治療すれば治るからさ」と運転しながら、そう言った。
いや、そう言うしか出来なかった。
車の中は、重い空気で押しつぶされそうであった。