日本では高齢化が進行し、要介護者数が年々増加しています。
- 要介護(要支援)認定者数の推移(全国)
- 2019年:約666万人
- 2023年:約708万人(※2000年の約2.8倍)
→ 年間約10万人ペースで増加
- 在宅介護の負担増加
家族による在宅介護が中心で、介護離職者も増加傾向。- 2022年時点で約10万6千人が介護を理由に離職
- 「ワーキングケアラー」(働きながら介護):約365万人
【ストレスケアの必要性】
介護者は、身体的・精神的・社会的ストレスに直面します。
- 身体的:睡眠不足・腰痛・慢性疲労
- 精神的:怒り・悲しみ・不安・罪悪感・孤独
- 社会的:キャリア断絶・人間関係の希薄化・経済的不安
これらは「介護うつ」「燃え尽き症候群(バーンアウト)」に繋がるリスクがあります。
【ストレスケアの具体的な効果】
ストレスケアは、単なる気分転換ではなく、科学的に実証された心身の自己回復力を高める方法として重要です。以下のように役立ちます。
① 自律神経の安定
- ホメオストレッチで副交感神経が優位になり、過緊張・不眠を改善。
- 介護中に怒りや焦りを感じたときに、「自分を落ち着かせるスイッチ」として機能。
② 感情のコントロール
- ストレスケアにより、自己受容が高まり、罪悪感や自己否定感からの回復が早まる。
- 感情が安定すると、介護者と要介護者との関係も良好になる。
③ 客観的な視点の回復
- ストレスケアで状況の整理や気づきが得られる。
- 「ひとりで抱え込む」から「他者と共有する」方向へ意識をシフトできる。
④ 持続可能な介護の基盤づくり
- 定期的なセルフケアにより、長期介護の中での自分のペースを保てる。
- 「介護をやめたくなる前に」ケアすることで、継続的な支援が可能。
高齢社会の中で、介護の担い手自身が健康でなければ、良好な介護は持続できません。
だからこそ、「介護者自身のケア=ストレスケア」は、介護制度の“見えない柱”です。