非行少年との面接で感じることは、
愛着の問題を抱えていることです。
虐待(愛着障がいの原因)が犯罪のきっかけになる研究では、
虐待なし28%、虐待された経験のある場合は56%と倍になっています。
ネグレクト(育児放棄)は3.7倍、身体的暴力6.3倍にもなります。
驚くことに、激しい虐待によって、前頭皮質と呼ばれる部位の体積が
減少する傾向があることを突き止められています。
前頭皮質は感情や理性を司り、反社会的な行動を抑制する
信号を発する場所です。
また、線条体は、前頭皮質からの信号を受けて、
行動を起こしたり、行動を抑制したりすることに直接関わる部位ですが、
この領域に変化が起きると、
ふつうに良い行いをして褒めても響かない、
悪い行いをしたときに、行動を変えることができない、
ささいな情報で逆ギレしてパニックを起こしてしまうなど
問題行動が起きやすくなります。