五つの最強習慣

 

「七つの習慣」は、1990年に初版が発行され

日本でも話題になりました。

この著者のコビィは、

1776年以降アメリカで出版された「成功」に

関する文献の共通点は「人格」であったと説明し、

次の50年間は「イメージやテクニック」

(態度・行動・人間関係)などの

対処的な方法だと述べています。

そして、彼は真の成功のためには深いレベルでの

誠実さと廉潔を説きます。

そういう意味では、アリストテレス(前4世紀)の現代版ともいえます。

 

 フロイトおよびユングと並んで現代の心理療法を確立した

1人として知られているアドラーは、人間は相対的に劣等感から、

優越感を目指して行動しているという個人心理学を確立しました。

「嫌われる勇気」で始まった最近のアドラー心理学ブームも

成功して幸せになるための方法論として、

原因論から目的論へと体系づけられています。

また、様々な成功哲学の原点となっているジェームスアレンは、

1902年に書いた「原因と結果の法則」の中に

「自分こそが自分の人生の創り手である」と述べています。

哲学者のカントは「成功は偶然の賜物であり、

有徳な人が必ずしも幸福になれるわけではない。

また、不徳な人が必ずしも不幸になるとは限らない」と考察し、

老子は人間の計らいがすべての問題の根源であり、

計らいを捨て去り、自然に任せる生き方を伝えています。

確かにこれらの考えは、新しい習慣を獲得するための重要な

要素があります。

 

しかし、誰もが実現できるかというと難しい点があります。

私自身は、人生の最強の生き方は「ありのまま」という

この瞬間を生きることに他ならないと考えています。

あれこれ判断せずに、今の考えにもこだわらず、

出たものを出たままに、何も手を加えずにいれば、

心を煩わすことはありません。

幸せな感情を得ても、それを失いたくないと考えてしまい、

また、そんなことを考えては駄目だと思うのも囚われた世界です。

 

私たちは、何がしたいのか分からない、

あるいは何を望んでいるのか分からない欲求不満の

状態で生きているのかもしれません。

仮にある高みに到達したところで、それが安住の場所ではなく、

たちまち失われることを黙認しながら歩み続け、疲労困憊しています。

いつになっても、心が休まる時が来てくれません。

なぜなら、他に自己価値や自己評価を高める方法に

気づけないでいるからです。

 

研修では、社会的成功や他人からの評価ではなく、