適応障害は、うつと似た症状が出現するが、

うつ病の医療での対応は、抗うつ剤を用いて、

長期的な治療が必要になることが多いため、

適応障害とは経過や治療が違う点で注意が必要になる。

 

つまり適応障害は、セリエのストレス理論で

説明される一般適応症候群の抵抗期のストレス反応であり、

うつ病はカウンセリングの限界を超えた疲弊期の疾患である。


うつ病は、悲哀感、自分が悪いと責める気持ち、

気分の日内変動では、朝方に抑うつ感が強い傾向がある。

また、今まで興味のあったものに全く

興味がなくなることなどが特徴になる。

 

適応障害によるうつ症状では、

ストレス要因に対して予想以上に抑うつ気分が強くなり

社会生活に支障が現われた状態ではあるが、

自分が好きなことは行動できたりする。

積極性、気持ちが変化する力はまだ保たれており、

ストレス要因が消失すれば、症状は比較的短期間に軽減していく。

それに対して、うつ病による抑うつ気分は、

積極的に生きるという選択肢が失われているため、

問題となっていた出来事が解決しても、

安心できず、様々なことが憂うつに感じられ、

時間が経過してもその状態が持続し、気持ちの変化が認められない。

 

適応障害は、環境からくる圧力に耐えられなく

なっているサインなので、まずは、戦うことを休むことが必要である。