ストレスと適応障害

 

ストレスが許容範囲を超え、

限界を突破したときに起きる状態にはいくつかあるが、

そのうちもっとも身近で頻度の高いものが適応障害である。

適応障害は、環境に上手に馴染めないことによって生じる

ストレス反応で、うつや不安、意欲や自信消失、

体調面の不具合などが表れるが、怒り、イライラ、

嗜癖的行動にのめり込むなどの行動の問題になることも少なくない。

適応障害によって生じる様々な症状や行動問題は、

心が折れそうになっているメッセージでもある。

 

適応障害の基準:(ICD-11.世界保健機関)

 

1.       はっきりと識別できる心理社会的ストレス因子が存在する。

         症状はストレス因子から1か月以内に出現する

 

2.       以下のうち、少なくとも一つの形でストレス要因、

         またはその結果に関連するとらわれがある。

  A)     ストレス因子ついて過度に心配する

  B)     ストレス因子について繰り返し苦しい考えが浮かぶ

  C)     ストレス因子の意味について、絶え間なく反芻する

 

3.       個人的、家族的、社会的、教育的、職業的、またはその他の重要

         な機能領域に著しい障害をもたらすストレス因子への適応の失敗 

 

4.       症状が他の精神または行動障害の診断を正当化するのに

         十分な特異性または重要度を持たない

5.       ストレス要因が長く続かない限り、

          症状は通常6か月以内に消失することが多い。

 

※    ただし、ストレス因子の消失から6か月を過ぎても 

       悪化するケースもあり、今後も矛盾点を補う修正が行われていく。