もうガンバルだけではうまくいかない

 

激変する社会の中で変化しなければならないのは

政治や経済だけではない。

家族も変化しなければ、いままでのやりかたでは、

うまくいかない状況が生まれている。

しかし、どれだけの人が家族の先行きに対して

危機感を感じているのだろうか。

 

家族生活のリスクは過去にも存在していたが、

近年は大きな社会問題なるほど加速化してきている。

結婚したくとも相手が見つからないリスク、

結婚しても離婚するリスク、配偶者の失業や収入低下のリスク、

親に介護が必要になるリスク、

子どもが自立しないで家に残り続けるリスク、

家庭内暴力のリスクなど、

家族生活を営むうえで様々なリスクが待ち構えている。

 

このような家族をめぐる状況をみても、

家族間の愛情をみても、今までのやり方でうまくいくとは考え難い。

これからの時代は、家族にもリスクマネジメントが必要になる。

現実を見つめ、危機管理を実現するストレスケアを行ってはじめて、

家族に希望が持てるようになっていく。

 

社会心理学者のラッセルは、

「希望は、努力が報われるという見通しがあるときに生じる」と

述べているが、努力が報われるためには、

家族は「家族を愛する技術」を身に着け、

家族の人的資源を高めていく必要がある。

愛情だけに頼って背負う介護や子育てはいずれ破綻していくだろう。