2021年のJASCA研修は、「自己受容」「自己統合」「自己実現」を

テーマに取り上げました。

それぞれが、バランスセラピー理論を深めていくうえで欠かせない要素です。

3回シリーズでは、JASCA会員800名以上が聴講されました。

 

 

はじめに

 

近年、褒めることによって得られる人間的成長を期待するあまり、

否定されることへの過度な脅迫観念で社会は溢れている。

人間は褒めれば成長するという論理は、それが分かりやすく

行動への引き金になるからである。

しかし、弾んだボールが次第に弾まなくなるように、

人生は常に評価される場面だけで生きていくことはできない。

人から認められる、あるいは自分を否定しないことは大切である。

しかし、それ以上に大切なことは、依存から脱却することである。

 

褒められることを目的に行動するパターンは、

他者の目線が行動の基準になり、自己決定が失われていく。

したがって、自己受容を心理学の一側面からのみ見るのではなく、

身体、意識、自然性、社会を含めた総合的な

観点から導き出すことが大切になる。

 

また、自己実現における自己受容は、

不完全な状態をありのままに受け入れて生きることであり、

自己受容に到達することではない。

自己受容を実践的に理解するには、

識別、判断から離れ、物事への肯定的理解と共感を

発展させる感性を高めていくことが大切になる。

 

一般的な「自己受容・自己統合・自己実現」を3つに分けて

理解するのではなく、自己実現の要素が

自己受容と自己統合であるという包括的な三位一体の理解をしていきたい。

 

研修で使用した資料は、2022年1月号の有朋会会報に掲載しています。

フォローアップに役立ててください。