楽なとき、ほっとするときを聴く

 

相談者の「楽なとき、ほっとするとき」を聴くことは、

何か問題を抱えているときに、

こんなことを聴くと相談者はハッとすることがあります。

どんな症状、問題でも大なり小なり変動があり、

辛いときもありますが、いくらか楽になるときもあります。

カウンセラーは、その楽なときが、どのようなとき、

どのような状況で楽になるか知ることは、

カウンセラーの目的である行動変容にとって、とても重要です

。なぜなら、日常生活の中で、目の前に立ちふさがっている

問題を解決することだけを考えていると、

自分が良くなるというイメージが湧かなくなります。

良くなるということは、辛いことがあまりなく、

楽な時間が増えていくことです。

例えば、ご飯が美味しい、散歩が楽しい・・・というような時間、

ほんの日常のなにげないことから楽しみを引き出して、

伸ばしていくことは、相談者の中の自信や回復の

芽を伸ばしていることになっていきます。

 

質問によって理解を深め、うなづく、相槌を打つ、

語尾を継ぐ、少し話をまとめて返すことで気持ちをくむ

 

いわゆるカウンセリングの「質問・反復・支持」のことです。

質問によって、カウンセラーは、相談者のことを

少しわかることができます。

相談者も自分のことを分かってもらえたと

感じることができます。

これが、信頼関係を築く第一歩になります。

では、どのようなことを聴けばよいでしょうか。

「それは、いつごろのことですか」「どこかに相談に行かれましたか」

「家族関係は良好ですか」などは

問診、調査で事務的な会話なってしまいます。

もちろん、これらは聴き取りとしては大切なことですが、

信頼関係を築くときは、相談者の

「好きなこと、得意なこと、趣味」をたずねてみます。

その人がどのようなものに関心や興味を

持っているかだけでなく、

性格的なことや生活環境の様子なども

見えてくことがあります。

多くの人が好む趣味なのか、少数派の趣味か、

趣味を転々としているのか、集中するとどうなるのか、

また、好きなことの話になると多弁になったりします。

そして、それが人とのかかわりのポイントとなることがあります。