新年最初の研修は「幸福について」がテーマです。

 

21世の社会になっても何が幸福という

明確な定義は存在していません。

現在の幸福に関する多くの研究は、

外在的要素の比較であり、相対的幸福論です。

 

例えば、有名なハーバード大学の幸福論は

「より良い人間関係」が人生を幸福にすると述べています。

確かに幸運な人はある期間、人間関係に恵まれるかもしれません。

しかし、どんなに努力しても人間関係おける愛別離苦、

怨憎会苦は世の習いです。

あるいは、何かを成し遂げるために、

自分の信念を貫いていく過程で、

人間関係を気にしていると自己決定ができなくなることもあります。

アドラーの「嫌われる勇気」と題した書籍がベストセラーになったのは、

「より良い人間関係」目指してみたが、

どこかおかしいと感じている人がいかに多いかという証左です。

 

幸福は、内在的であり、比較して優位な気持ちになるものではなく、

そういった外在的要素の比較から超越しているものです。

なぜなら、もし外在的なものを幸福の尺度にすれば、

何一つ自分でコントロールできることは存在しておらず、

環境の変化によって、一生涯右往左往することになります。

だから、幸福は変化を嫌い、安定を望むわけですが、

変化のない世界などどこにも存在していません

。本当に私たちが望むものは、幻想的な幸福論ではなく、

変化の中でこそ生まれる「希望」なのかもしれません。

 

ストレスケアの定義を振り返ってみます。

そこにはこう記しています。

「ストレスケアとは、自分自身で幸福の決定要素をコントロールすること」

自分自身を「よるべ」(主人)として、バランスを整え、

自然性を回復させていくことにより、

本当の幸福に出会えることを伝えていきたいと思います。