現代文明を超える新たなステージについて、

哲学の巨人、梅原猛とノーベル化学賞受賞者の福井謙一の対話です。

 

一般に哲学者は科学者を嫌いますが、

アインシュタインを日本へ呼び寄せたのは明治の哲学者、西田幾多郎でした。

 

その時代は哲学が科学に関心を持っていたといえます。

 

近年になればなるほど、

文学的要素と科学的精神は分裂していきますが、

対話の中で二人は、両者に不可欠なものとして「直感」を重要視しています。

 

つまり、論理的に導かれないものに向かって突進していくのが

創造たるベクトルなのです。

 

だから、科学者は「どうしてあなたはこういう選択をしたか」ということを

訪ねられても、答えられない場合が非常に多いのです。

 

そして、梅原は「行為的直感」の重要性を説き、

福井は「自然である」ことが本物になれる条件だと述べています。