生き方を見直す。自己受容について。
自己受容とは、「自分のありようをそのまま受け入れること」と
心理学系の辞書にあります。
また、自己受容は自尊意識に置き換えられることもあります。
しかし、この意味を実践的に理解するにはある程度の訓練が必要です。
なぜならば、「自己受容」という言葉を知っても、
単なる知的な理解に留まり、それを実践的に活用しなければ、
身につけられないからです。
自己受容を考えるうえでの問題は、自分と他者の位置関係です。
自分側でもなく、他者側でもない、この両極から離れることが「ありのまま」の状態です。
受容の立ち位置に必要なことは、人間にある強い識別作用を知ることから
理解しなければなりません。
識別作用は、良い悪い、好き嫌い、成功失敗、健康病気、過去未来などを
区別することです。この区別がもう一つの対象と対立を起こします。
対立は一方を否定することになりますので、やがて怒りの感情になり、
戦うか、逃げるかのストレス反応の主因となっているのです。
つまり、自己受容の能力を高めることは、ストレス反応そのもののコ
ントロールをすることになるのです。
自己受容は、「極端でなく、偏らず、ありのまま」を見ることであり、
それを中道と述べたのは釈尊です。「ありのまま」とは、どちらつかず、
宙ぶらりんといったなまぬるい態度ではなく、独自の自主的な行動のことです。
自分が体験することへの消極的な回避ではなく、
むしろ積極的な行動なのです。
したがって、自己受容には、健康な心身が必要になります。
生活の質が高ければ、それだけ自己を受け入れやすい環境になります。
こういった環境要因から得られた「自己受容もどき」には自立性がありません
。自己受容は個人要因に起因する、自ら調整する作用を持ったもので
なくてはならないのです。そこで、自己受容の定義を改めて示しておきます。
自己受容の定義
「自分自身に起きる一切の体験に無駄なことはない。
その体験には、自分自身の人生を成長させる意味や価値が含まれている」
自分を変えたいは自己否定(変わる必要はない)です。
自己肯定感を身に着けることが大切、劣等感と劣等性は違います。
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