病気の人を治すと、自分のエネルギーを与えているから疲れるとか、
相手の悪い気がこちらに悪影響を及ぼすということは、
一切ありません。そうとしか思えないというのは、
その人が、自分は偉い、正しいと思って緊張しているからなのです。
そのような認識で、相手に関わるというのは、
相手の方にも申し訳ないことだと思います。
また、その人は、相手に関わることで本当に疲れて具合が
悪くなってしまうかもしれませんが、
それは、病気である相手のせいではなくて、
自分自身の内面の認識を映し出している姿だといえます。
キリスト教の信仰をしている人で、
ちょうどキリストが十字架に杭で打ちつけられたときの
出血を思わせるように、自分の手のひらから出血する人がいますが、
人間の信念の力は様々な現象を起こしてしまうのです。
ですから、ホメオストレッチを行う際には、
相手の悪い気がうつるなどと言った、
誤った認識を持たないようにしてください。
座禅の中興の祖である白隠禅師は、
「悪い気がどこにあるのか。悪い気などない」と言っています。
健康な人も病気の人も何も変わりはないのです。
あるのは、慈悲と報いを求めない許しだけではないでしょうか。
人間は常に救ったり、救われたりということを繰り返している存在です。
私たちは、自分の力を成長させていくには他者が必要です。
他者に関わり、その人を幸せにする力を身につけていくことで、
その力を今度は自分自身を幸せにすることにも使えるのです。
悪い気がうつるといっている人は、強い自我と緊張があり、
けっして、他人と良い関わりを持つことはできないでしょう。
また、良い関わりとは、相手を、あるがままに感じ、
理解することであり、そして、その相手に関わることで
自分が役に立っているという自覚を持つことです。
これは愛ということになりますが、その中でもっと自分を育て、
成長させていこうということにつながっていくのです。