バランスセラピー学で私たちが行うのは、
一般的なメンタルヘルスでもストレスマネジメントでもありません。
一口でいうとリラクセーションプログラムということになります。
リラクセーションプログラムを実践することによって
ストレスに対する抵抗力を高めているという作用があります。
単に苦痛や困難を回避して、安らぎや癒しがブームになっていますが、
単に安らぎを与えているだけでは人生のストレッサーに対する
抵抗力が失われていくのではないでしょうか。
例えば、大人が子供を非常に大切に育てるというのは、
大切と言う意味は負担をかけないように育てるというふうに考えてみましょう。
その結果子供のストレス耐性が低下しています。
皆さんもご存知のようにいろんな問題の発生につながっているのではないでしょうか。
現在のカウンセリング、あるいはメンタルケアと言うものは、
健常者、相談に来る人には心の安らぎを与えたり、
癒すということを行っている反面、人の依存性を高める。
もう少し具体的にいえば人のストレスに対する抵抗力を弱める
副作用もあると考えてみてはどうでしょうか。
バランスセラピー学はそういったところに深い考察を行ってきました。
その結果リラクセーションを目的にしていくという意味が明確になっていくのです。
つまり、リラクセーション状態を実現していくためには、
健康で、柔軟で、しなやかな心身が求められるからです。
人生をどう考え、どうのりこえるか、さらに情動コントロールしていく。
本来感情と言うのは選択ができるのです。
どういう感情を味わっているかということと合わせて
自分はなぜその感情を選択したのかを考えていく必要があるのです。
そのためには優れた知性、あるいはそれを育む様々な体験、
苦痛な体験と言ってもいい挫折や失意、喪失の体験に意味を見出す
人生観を持つ必要があります。
私たちは自分が苦しい時に始めて自分を振り返り、
そしてそこにある意味を見出す、気づきというでしょうか。
その時に初めて人間的に成長していきます。
自分の考えがすべてうまくいっているという時期に
自分の思考や習慣を変えようとする人はまず見当たらないでしょう。
人間の成長には必ず、痛みを伴うものです。
したがってバランスセラピーでは、この時期を大切に取り扱おうとしています。
何度も繰り返し申し述べておりますが、
そこには自己成長という人生の意味を展開してく、
崩壊と統合の精神運動があります。